2014 Fiscal Year Annual Research Report
認知機能の個人差に関わるセロトニントランスポーター遺伝子の多型とDNAメチル化
Project/Area Number |
25640041
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
野村 靖幸 久留米大学, 医学部, 教授 (00034041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 理朗 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60399011)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 衝動性 / セロトニントランスポーター遺伝子多型 / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに、本研究課題において注目するセロトニントランスポーター遺伝子プロモーター領域(5-HTTLPR)と、運動反応衝動性(response inhibition impulsivity)との関連を検討した。 まず、健常成人60名から採取した末梢血より抽出したゲノムDNAにおいて多型(SNP)解析を行い、行動実験(正反応には金銭の報酬を与え、誤反応には罰として報酬を差し引く)との関連を解析した結果、誤反応に対して罰が伴う条件において、5-HTTLPRのSS型の個人の運動反応衝動性が、SL型を有する個人と比して低いことが見出された(Nomura et al., 2015)。 さらに、口腔粘膜から採取した検体におけるDNAメチル化解析を行った結果(Sugawara らの方法(2011)に基づく)、通常は、末梢血においてはメチル化率は30%程度のところが、口腔粘膜においては10%であることを見出した。後者はサンプル数が10未満であるため、さらなる例数のもとでの慎重な検討を要するが、環境から入力するストレッサーに対する各組織における感受性への相違を示唆する興味深いデータといえる。
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Research Products
(9 results)