2014 Fiscal Year Annual Research Report
被毛パターン変異ラットを用いた反応拡散モデル実証のための実験モデル系の創出
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25640046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
庫本 高志 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20311409)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メラノサイト / ラット / 毛色 / Zeb2 / ノックアウトラット |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、前年度作製したメラノサイト特異的にLacZを発現するDct-LacZトンラスジェニックラットを系統化し、Dct遺伝子の発現を確認した。そして、交配により、Dct-LacZ遺伝子をもつh/hラット、h/h, Du/+ラットを作製した。 また、我々の先行研究から、Du変異は、D3Got18からzinc finger E-box binding protein (Zeb2) 遺伝子間の約1.4Mbにマップされていた。この範囲の遺伝子を調べたところ、Zeb2, Gtdc1, Arhgap15の3つの遺伝子が存在していることが分かった。変異を見つけるためにシークエンス解析を行ったが、これら遺伝子のエクソンには変異は存在していなかった。近年、転写因子のZEB2分子は、メラノサイトの分化のマスターレギュレターであるMITFと相互作用し、また、Zeb2遺伝子ノックアウトマウスは色素細胞の分化に異常があることが報告された(Cell Death Differ. Denecker et al, 2014)。以上のことから、Du変異は、Zeb2遺伝子の非タンパク質コード領域にある可能性が高いと考えられた。 また、遺伝子編集技術であるZFN法を用いて、Zeb2遺伝子ノックアウトラットを作製した。その結果、541番目のグルタミン酸のみが欠失する変異体が得られた。このラットは、正常に発育し、明らかな異常は認められない。また、hooded変異ホモ (h/h, Zeb2-/-)としても、ダウンアンダーのような被毛パターンは得られず、また頭巾斑パターンにも変化はなかった。 本研究で作製された、メラノサイトの挙動をモニターできるDct-LacZトランスジェニックラット、Zeb2ノックアウトラットは、メラノサイトの分化を解析する上で有用なツールになると期待される。
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