2014 Fiscal Year Annual Research Report
レトロエレメントの制御因子の解析を基盤としたES細胞の未分化性維持機構の解明
Project/Area Number |
25640048
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
堀江 恭二 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30333446)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ES細胞 / レトロエレメント / ゲノム / 遺伝子 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
ES細胞/iPS細胞の多能性の制御機構の解明は、ES細胞/iPS細胞の分化をコントロールし、臨床に応用するための重要な基盤となる。一方、ES細胞/iPS細胞においては、レトロエレメントの発現が抑制されていることが知られており、抑制が不十分な細胞は多能性に障害があることも知られている。我々は最近、独自の手法により多数のホモ変異体マウスES細胞株を作製してきた。本研究では、これらのホモ変異体の中からレトロエレメントの発現抑制が障害された変異体を同定し、さらにその中から、多能性が障害された変異体をスクリーニングした。多能性に異常のある変異体の原因遺伝子の中には、ES細胞の未分化維持やiPS細胞の誘導に重要な遺伝子が含まれると期待される。 昨年度までの研究で、各変異ES細胞から精製したRNAを鋳型に用いてqRT-PCRを行うことにより、レトロエレメントの発現に異常を示す変異体を特定してきた。さらに、レトロエレメントに発現異常を示すES細胞株について、Nanog, Oct3/4, Klf4, Tbx3, Zfp42等の未分化マーカーのqRT-PCRによる定量と、Embryoid body形成による各種細胞系譜への分化誘導能の検定を行い、多能性に異常を示す変異体を特定した。しかし、特定したES細胞株の中に、増殖速度の遅い株が存在したため、それらの解析が遅れていた。そこで本年度は、これらの細胞株に関しても、前年度と同様に、未分化マーカーの定量、および、Embryoid body形成による分化誘導能の検定を継続して行った。易分化性の表現型が著しい細胞株も存在していたため、それらについては、より未分化性を高く維持する培養条件の検討も併せて行った。
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[Journal Article] Removal of reprogramming transgenes improves the tissue reconstitution potential of keratinocytes generated from human induced pluripotent stem cells2014
Author(s)
Ken Igawaa, Chikara Kokubu, Kosuke Yusa, Kyoji Horie, Yasuhide Yoshimura, Kaori Yamauchi, Hirofumi Suemori, Hiroo Yokozeki, Masashi Toyoda, Nobutaka Kiyokawa, Hajime Okita, Yoshitaka Miyagawa, Hidenori Akutsu, Akihiro Umezawa, Ichiro Katayama, Junji Takeda
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Journal Title
Stem Cells Transl Med
Volume: 3
Pages: 992-1001
DOI
Peer Reviewed
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