2015 Fiscal Year Annual Research Report
可視化システムを用いた膵癌幹細胞の研究とゲノム・エピゲノム解析
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25640060
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 浩光 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80645474)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌は早期から浸潤や転移を生じる難治性の癌である。近年、癌細胞群が階層性の構造を有し、その頂点に位置する癌幹細胞は高い悪性度を示すとの研究が進んでいるが、浸潤や転移を生じる詳細なメカニズムは未だに明らかではない。我々は、プロテアソーム活性を指標とした膵癌幹細胞の可視化システムを構築し、この課題に取り組んでいる。本論文では、実験動物モデルを用いて膵癌幹細胞が高い遊走・浸潤能力を持つことを示し、肝転移腫瘍の辺縁に局在しているという新しい知見を示した。そして、網羅的遺伝子解析を行い、膵癌幹細胞にDCLK1が高発現していることを同定し、この発現変化がヒストンのメチル化修飾(H3K4me3およびH3K27me3)がもたらすダイナミックな遺伝子発現調節機構によることを示した。DCLK1を強制発現させた膵癌細胞はアメーバ様の特徴的な形態変化を生じ、遊走・浸潤能力が顕著に亢進した。一方、DCLK1の発現が抑制された癌幹細胞の遊走・浸潤能力は減弱し、転移能力は著しく消失した。臨牀検体においてはDCLK1が原発巣よりも転移巣で強く発現していることが確認された。すなわち、DCLK1が膵癌の浸潤・転移に重要な役割を果たし、今後の膵癌治療の標的となる可能性が示された。
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