2013 Fiscal Year Research-status Report
エンドソーム成熟化機構に関連する新規乳がん発生機構の解明
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25640061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三木 義男 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10281594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 啓 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (50321790)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 乳がん / BRCA2 / MT1-MMP / エンドサイトーシス / ESCRT複合体 |
Research Abstract |
我々は、遺伝性乳がん原因遺伝子産物のBRCA2が、細胞膜結合型マトリックスメタロプロテアーゼのMT1-MMPに切断されること、また、BRCA2-FLAGを細胞内で過剰発現させるとBRCA2-FLAGは細胞膜近辺でもその局在が観察されることを見出してきた。現在、MT1-MMPがエンドサイトーシスで取り込まれることが示唆されていることから、膜近辺に存在するBRCA2もエンドサイトーシスで取り込まれて、エンドソームの内腔小胞の形成に関与する可能性は十分考えられる。さらに我々は、BRCA2が細胞質分裂のミッドボディに局在するII型ミオシンIICのATPase活性を制御することを見出した。エンドソーム膜の内腔側への陥入によって形成される小胞をエンドソーム膜から切断させるのにTsg101、ALIXやESCRT複合体が連続して相互作用した後、VPS4 ATPaseによって複合体が解体されて小胞形成が進行すると考えられている。このVPS4は、ミオシンIICと同じAAAファミリーATPaseに属する。すべてのAAA ATPaseドメインは、ほとんど同じ構造をしているので、ATPが加水分解する仕組みやATPのエネルギーを仕事に変換するシステムは共通性が高いと推測されている。従って、BRCA2がミオシンIIC以外にVPS4のATPase活性を制御する可能性は十分考えられる。そこで、BRCA2のエンドソームにおける局在と内腔小胞の形成への関与を検討するため、BRCA2のエンドソーム内の局在及びBRCA2の発現抑制によるエンドソームの内腔小胞の形成に与える効果を観察した。さらに、BRCA2によるTsg101、ALIXのエンドソームへのリクルートに関する検討するため、BRCA2の発現抑制及びBRCA2の変異導入によるエンドソームへのTsg101、ALIXのリクルートを解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の実験計画である以下の検討は、ほぼ終了し、その結果に基づき次年度計画を作成した。従って、本研究はおおむね順調に進んでいると判断した。 I.BRCA2のエンドソームにおける局在と内腔小胞の形成への関与の解析(1.BRCA2のエンドソーム内の局在を調べる、2.BRCA2の発現抑制によるエンドソームの内腔小胞の形成に与える効果を観察する)。 II.BRCA2によるTsg101、ALIXのエンドソームへのリクルートに関する検討(1.BRCA2の発現抑制によるエンドソームへのTsg101、ALIXのリクルート有無の検討、2.BRCA2の変異導入によるエンドソームへのTsg101、ALIXのリクルート有無の検討)。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究計画である以下に沿って進める。 I.BRCA2によるVPS4のATPase活性に及ぼす影響を調べる(1.VPS4 のクローニング、2.BRCA2とVPS4の結合を調べる、3.BRCA2によるVPS4のATPase活性を測定する)。 II.癌細胞と正常細胞の後期エンドソームの量的比較
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
BRCA2のエンドソームにおける局在と内腔小胞の形成への関与を解析するに当たり、新規の必要材料はTsg101、ALIXの抗体等が主たるものであったため、次年度使用額が生じた。 次年度は、VPS4 のクローニングや、BRCA2によるVPS4のATPase活性に及ぼす影響を調べる計画であり、HAもしくはFlagタグと融合したタンパク質発現系(培養細胞用)、およびGST融合タンパク質発現系(大腸菌用)プラスミドの作製、酵素活性の測定系の構築、エンドゾームの量測定等に使用する計画である。
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[Presentation] Functional analysis of a cleavage product of BRCA2 in cancer cell lines2013
Author(s)
Nadila Wali, Kana Hosokawa, Hiroko Saito, Shinobu Ohmi, Akira Nakanishi, Yoshio Miki,
Organizer
ASCB 2013 Annual meeting,
Place of Presentation
New Orleans, LA, USA,
Year and Date
20131214-20131218
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