2013 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム変異に依存しないプロテオーム異常をスプライシング制御破綻から探る
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25640081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
前田 明 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (50212204)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スプライシング / mRNA / 癌 / 遺伝子発現調節 / 品質管理機構 |
Research Abstract |
(1)mRNA再スプライシング現象をヒト全トランスクリプトームで解析 乳癌細胞と正常乳腺上皮細胞(対照)から投縄状RNA標品を作製し品質の確認をした。既知のTSG101遺伝子由来のmRNAやイントロン、さらに再スプライシングの際にできる投縄状エクソンも確認できたので、アダプター付きcDNAをPCR増幅して投縄状RNAライブラリーを調製した。予備実験として、次世代シーケンサー小型機(MiSeq, Illumina社)によるその全配列データの収集が終了し、得られたfastqファイルを国立遺伝研究所に送り、日本DNAデータバンク(DDBJ)のRead Annotation Pipeline で解析中であるが、MiSeq機では絶対的なリード数が不足していた。 (2)mRNA再スプライシング抑制因子がEJCに存在するかを検証 想定される因子はスプライシング反応後にmRNAに結合しているEJC及び核外輸送複合体(TREX/AREX)である。予備的な実験からAREX核外輸送複合体を構成するURH49の発現量の変化が、再スプライシングを促進する結果を得ており興味深い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
投縄状RNA標品の調製に成功し、次世代シーケンサーによる配列データ収集に目処がついたことが大きい。mRNA再スプライシング制御因子の探索も、まだ予備的な結果ではあるが、核外輸送複合体構成因子のノックダウンによって再スプライシングの変化が見られたので、今後の解析に期待したい。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)mRNA再スプライシング現象をヒト全トランスクリプトームで解析 平成25年度、本学に「網羅的疾患遺伝子解析センター」が開設され、次世代シーケンサー大型機(HiSeq1500, Illumina社)が納入されたので、それを用いて、リード数の多い配列データを取得する予定である。大量に得られる配列の大部分は、イントロン配列である事が当然予想される。本研究で探索するmRNA再スプライシングで切り出される産物は、エクソン配列である。従って、配列結果はリファレンスmRNA配列のデータベースであるrefseqにマッピングして解析を行う。これら解析は Chris Burge研究室(MIT)の開発した投縄状RNAのブランチ部位マッピングのためのアルゴリズムを利用する。 (2)mRNA再スプライシング抑制因子がEJCに存在するかを検証 再スプライシング誘導に対するURH49の関与を明らかにすると共に、他の核外輸送複合体因子あるいはEJC構成因子の再スプライシング活性への影響を、siRNAによるノックダウンと過剰発現実験を用いて解析する予定である。mRNA再スプライシング抑制因子、あるいは促進因子の候補を同定する重要なアプローチとなるだろう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費は研究補助員をパートタイムで雇っているため、予測がつかないため、物品費を少々切り詰める必要があった。差額の9万円余は想定誤差範囲である。 差額は今年度に繰り越され、予定通り人件費と物品費に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)