2014 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム変異に依存しないプロテオーム異常をスプライシング制御破綻から探る
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25640081
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
前田 明 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (50212204)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子発現調節 / スプライシング / mRNA / 品質管理機構 / 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
成熟mRNA再スプライシングの影響を網羅的に解析する研究において、本学の「疾患遺伝子網羅的解析センター」の大型次世代シーケンサー(HiSeq1500, Illumina)が利用できるようになった。膨大な配列データを投縄状RNAにマップするプログラムは市販されておらず、特殊なプログラムを必要とするので、トランスクリプトーム解析の第一人者であるChristpher Burgeの研究室で開発されたプログラムを用いて、精力的に解析を進めている(共同研究)。予備的な結果であるが、癌細胞に低酸素ストレス(塩化コバルト処理)を与えると、mRNA再スプライシングを有意に促進する結果を得ている。この事実は、低酸素ストレスによって再スプライシング制御因子の発現が変化することを示唆しており、たいへん興味深い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
投縄状RNA標品の次世代シーケンサーによる配列データ解析にBurge 研のプログラムが有効に使えることがわかり、ヒト全トランスクリプトームにおけるmRNA再スプライシング現象の全貌を明らかにできるのも時間の問題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
1回目の大型次世代シーケンサーHiSeq1500による配列データ解析は、2次構造を取ってRNase R耐性と予想されるsnRNAのリード配列が数多く検出され、肝心の投縄状RNAの検出が十分にできなかった。原因としては、癌細胞の全RNA標品のRNase R処理が強すぎた可能性が考えられる。現在、RNase R処理の条件検討を慎重に行っており、次回の次世代シーケンサーによる配列データ収集の準備を進めている。 mRNA再スプライシング制御因子の探索は、核外輸送複合体因子あるいはEJC構成因子のsiRNAによるノックダウンと過剰発現実験を用いて解析する予定である。mRNA再スプライシング抑制因子、あるいは促進因子の候補を同定する重要なアプローチである。
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Causes of Carryover |
昨年に応募した「新学術領域研究」と民間財団の研究助成が不採択になる可能性があったので、計画的に経費節減した。実際に、これらの研究費は不採択であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度(平成27年度)の研究費に充てる予定である。
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Remarks |
私たちの研究成果及びその社会への貢献を、国民にわかりやすく開示するために、研究室のホームページを開設しており、このサイトでは研究内容の詳細を説明している。
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