2015 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム変異に依存しないプロテオーム異常をスプライシング制御破綻から探る
Project/Area Number |
25640081
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
前田 明 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (50212204)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子発現調節 / スプライシング / mRNA / 品質管理機構 / 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌細胞で見られる大規模なプロテオーム異常は、ゲノム変異だけではまったく説明できないが、その主たる原因がスプライシング制御のグローバルな破綻であるという仮説を提起した。この仮説を気づく発端となったのは、癌細胞でスプライシングされた成熟mRNAが、再びスプライシングされ、異常なmRNA産物が生成しているという世界で最初の発見であり、TSG101遺伝子をモデルとして、その現象の証明に成功した(2012年に論文発表)。TSG101は蛋白質選別、多胞体形成、ウイルス出芽、細胞増殖/周期、転写調節など、きわめて多様かつ重要な機能をもっている。『成熟mRNAの再スプライシング』 現象は癌細胞でのスプライシングのグローバルな破綻を矛盾なく説明できるだけでなく、正常細胞ではこの異常な再スプライシングが抑制されているというmRNA品質管理機構の存在を示唆し、重要である。 私たちは、低酸素やDNAに損傷を与える抗癌剤(シスプラチン)などのストレスによって、癌細胞での再スプライシングが促進され、それが癌抑制遺伝子p53の発現によって抑制される事を見い出だした。すなわち、癌特異的なmRNA再スプライシング現象が、癌抑制遺伝子p53の制御下にある事が明らかになったわけであり、mRNA再スプライシング促進・抑制因子の探索は、p53の下流にある因子群に対象が絞られた。その同定は鋭意推進中である。一方、私たちは、上皮間葉転換の換誘導因子であるTGF-βが、mRNA再スプライシングを促進するという興味深いデータを得ている。上皮間葉転換は癌細胞の浸潤・転移の主たる要因なので、癌転移における再スプライシングの関与が興味深い。 私たちの発見した癌特異的なmRNA再スプライシング現象が、きわめて重要な癌関連因子であるp53やTGF-βに深く関わる事実は、mRNA再スプライシング現象が、癌の基礎研究の主役に躍り出てきたと言っても過言ではない。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] ETV6-LPXN fusion transcript generated by t(11;12)(q12.1;p13) in a patient with relapsing acute myeloid leukemia with NUP98-HOXA9.2016
Author(s)
Abe A, Yamamoto Y, Iba S, Kanie T, Okamoto A, Tokuda M, Inaguma Y, Yanada M, Morishima S, Mizuta S, Akatsuka Y, Okamoto M, Kameyama T, Mayeda A, Emi N.
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Journal Title
Genes, Chromosomes and Cancer
Volume: 55
Pages: 242-250
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] NUP214-RAC1 and RAC1-COL12A1 Fusion in Complex Variant Translocations Involving Chromosomes 6, 7 and 9 in an Acute Myeloid Leukemia Case with DEK-NUP214.2015
Author(s)
Abe A, Yamamoto Y, Iba S, Okamoto A, Tokuda M, Inaguma Y, Yanada M, Morishima S, Kanie T, Tsuzuki M, Akatsuka Y, Mizuta S, Okamoto M, Kameyama T, Mayeda A, Emi N.
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Journal Title
Cytogenetic and Genome Research
Volume: 146
Pages: 279-284
DOI
Peer Reviewed
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