2013 Fiscal Year Research-status Report
EpCAM結合ペプチド提示金属内包フェリチンを用いたエクソソーム亜集団検出法
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25640082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
芝 清隆 公益財団法人がん研究会, 蛋白創製研究部, 部長 (40196415)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | エクソソーム / がん診断 / エキソソーム / ペプチドアプタマー / EpCAM |
Research Abstract |
「エクソソーム」は、ほとんど全ての細胞が放出する、直径100nm前後の小胞体で、血液、唾液、尿、髄液、精液、骨髄液、腹水、胸水などのあらゆる体液に多量に存在する。放出細胞由来のタンパク質、microRNA、mRNAなどをその内部や表面にもっていることから、エクソソームを「診断」や「治療」に用いる研究が急展開している。しかしながら、その大きさが100nm前後と、生物分野においては扱いにくい大きさの範囲にあるためか、未だに定量的な評価方法が確立していないという大きな問題を抱えている。特に、ヘテロな集団として存在するエクソソームの中から、特定亜集団の存在割合を定量化する方法の確立は、疾患対象を絞ったエクソソーム診断の確立には極めて重要である。 本研究では、ヘテロな集団として存在する「エクソソーム」の中から、上皮性マーカーの1つEpCAM分子を発現するサブポピュレーションの割合を定量化する方法を確立することをめざした。具体的には、「EpCAM結合ペプチド・アプタマーを提示した金属内包フェリチン」を利用することで、EpCAM発現エクソソーム表面へ、金属ナノ粒子を結合させ、この結合に伴うエクソソーム表面の電荷特性の変化、反射率の変化を、抵抗パルス変化の測定やレーザー光による暗視野分散光の強度変化で識別する。血中や唾液中に含まれるエクソソームの集団中に含まれる、上皮細胞由来のエクソソームの割合を定量化することが可能となり、エクソソームを用いたがん診断法開発へとつながる基盤技術の開発である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)ペプチド・アプタマーを提示するフェリチンの調製 過去の研究でウマ由来フェリチンL鎖の組換え体を利用して、その表面にいろいろなペプチド・アプタマーを提示させる実験をおこなってきた。将来的な治療への展開を考えて、今回はヒトのフェリチンを用いたペプチド提示系を構築した。ヒトフェリチンを用いるもう1つのメリットとして、ヒト由来のフェリチンH鎖が、がんマーカーとして注目されているトランスフェリン受容体(TfR)をその受容体としていることである。そのため、今回はヒトフェリチンH鎖を用いた大腸菌発現系を作成した。組換えの構築過程で、読み枠を一にする上流翻訳開始コドン(ATG)の存在により、予想していた組換え体より、大きな(余分なN末ペプチドをもつ)タンパク質が得られてしまったので、部位特異的変異導入でこの問題を解決し、予定通り発現系を完成させた。また、ペプチドアプタマーであるminTBP-1を提示させ、ウマフェリチンと同様に機能的なペプチド提示がおこなわれていることを確認した。 (2)フェリチンへの金属ナノドットの導入 大腸菌で精製したウマ由来L鎖フェリチン分子の内部空間に、バイオミネラリゼーションを利用して、水酸化鉄、金、マグネタイドのナノドットを形成させる条件を確立した。特に金のナノドットの形成には、条件の至適化に困難が伴ったが、新しい金粒子作製法を採用することにより、金特有のプラズモン吸収をもったナノドット含有フェリチンの調整条件の確立に成功しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ペプチド提示フェリチンの、ペプチドの標的タンパク質を発現した「細胞」「エクソソーム」との相互作用を、暗視野顕微鏡や、共沈殿などで評価している。今後の研究の方向としては、今年度で確立したヒトフェリチン組換え体、およびその内部への機能性ナノドットの封入技術を利用して、「フェリチンサブクラスの凝集化」「フェリチンサブクラスの特異的標識」実験を進めていきたい。この実験の条件確立のために必要な蛍光タンパク質でひょうしきされたエクソソームの準備も着々と進んでおり、定量的な評価をおこなうための環境が整いつつある。 エクソソーム研究にとっては、ヘテロな集団の中から、いかに特製のサブクラスを同定、あるいは分離するかが極めて重要な要素技術となる。本研究で動き出したフェリチンを用いた方法を深化させ、ユニークな差分かシステムを開発していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年11月に、フェリチンへの金内包に関しての新たな、より効率の良い方法が確立された。研究遂行上、この新方法の検出感度への影響を見極めることは不可欠であるため、従来の方法での必要最低限のデータを取り終えた後、新たな方法での追加実験をおこなうことにしたため。 新たなフェリチンへの金内包方法の実験に必要な試薬、プラスチック機器の購入に使用。
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Research Products
(1 results)