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2013 Fiscal Year Research-status Report

シスプラチン抵抗性関連因子ERCC1の分解を誘導する新規低分子化合物の解析

Research Project

Project/Area Number 25640089
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

松永 司  金沢大学, 薬学系, 教授 (60192340)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 猪部 学  金沢大学, 薬学系, 准教授 (10312414)
若杉 光生  金沢大学, 薬学系, 助教 (80345595)
西永 真理  金沢大学, 先端科学・イノベーション推進機構, 博士研究員 (10646681)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsヌクレオチド除去修復 / 阻害剤 / 抗癌剤 / シスプラチン / 低分子化合物 / 増感作用
Research Abstract

平成25年度は以下の成果を得た。
・標的因子の同定と機能解析:標的因子の特定のために、化合物ビーズを利用した方法で結合タンパクをMS解析により同定し、候補因子を得た。現在、siRNA によるノックダウンによりERCC1-XPF の細胞内レベルが変動するか検討している。
・化合物の最適化:NERiKU001がもつ細胞毒性を低くする目的で様々な構造類縁体の細胞毒性を比較した結果、毒性の原因となる構造を特定することに成功した。これにより、ERCC1分解誘導活性やNER阻害活性を保持した低毒性化合物を得ることができた。
・ERCC1-XPF分解誘導メカニズムの解析: NERiKU001によるERCC1分解誘導はプロテアソーム依存的であり、ユビキチン化ERCC1の検出とそれを担うE3リガーゼの特定を試みている。また、免疫沈降法を用いた実験でNERiKU001がERCC1とXPFのへテロダイマー形成を阻害する結果は得られなかった。
・シスプラチン増感作用の検討:インビトロ試験において、胃癌由来KKLS細胞でNERiKU001を併用することによりシスプラチン感受性が約2倍上昇することがわかった。また、併用する抗癌剤としてシスプラチン以外の薬剤も検討を開始し、最も高い増感効果が得られるベストマッチの抗癌剤を探索している。さらに、シスプラチンで最も多く誘発される1,2-GpG鎖内架橋損傷のイムノアッセイ系を導入し、NERiKU001がこの損傷の修復も阻害することを確認できた。一方、マウス癌移植系を用いたインビボ試験の予備実験もスタートし、マウス肺癌由来LLC細胞、およびヒト胃癌由来MKN-45P細胞を用いて移植の条件設定を行った。また、実際にMKN-45P細胞をヌードマウスに移植後、NERiKU001の腹腔内投与を行い、腹水中のMKN-45P細胞のERCC1が減少していることを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画はおおむね達成することができたが、NERiKU001結合ビーズの作製に時間を要したことと明瞭な特異バンドが得られなかったことから、現時点で標的因子を結論的に特定するまで至らなかったことは残念である。一方で、NERiKU001がもつ細胞毒性の原因構造を特定でき、ERCC1分解誘導活性やNER阻害活性を有したまま毒性が軽減された化合物を得たことは最適化に向けて大きな成果である。また、インビトロ増感試験でNERiKU001が癌細胞のシスプラチン感受性を上昇させ、またシスプラチンで誘発される鎖内架橋型DNA損傷の修復を実際に阻害する結果が得られたことは意義深い。NERiKU001は紫外線で誘発される6-4光産物の修復阻害を指標に発見されたNER阻害化合物であり、これまでシスプラチン誘発鎖内架橋損傷の修復阻害は予想にすぎなかったが、今回これが実証できたことにより増感効果の裏付けができたと言える。

Strategy for Future Research Activity

インビボ試験において、ヒトの癌細胞は当初KKLS細胞(胃癌)を使用する予定だったが、高度腹膜播種株であるMKN-45Pを用いて延命効果を評価する実験系を1年間前倒しして導入した。この系では癌細胞を腹水へ移植するため、①個体間のバラツキが少ない、②NERiKU001も腹腔内投与するため癌細胞への処理が確実である、③延命という最終的なエンドポイントでの評価が可能、などのメリットがあり、早期の導入を決断した。条件設定はほぼ完了しており、この系での増感試験も早急に開始する予定である。その他は当初の計画どおり実行する予定で、最終年度となる2年目にすべての計画を着実に完了させたい。

  • Research Products

    (5 results)

All 2014 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Proteasome inhibitors and knockdown of SMG1 cause accumulation of Upf1 and Upf2 in human cells.2014

    • Author(s)
      Zhao, X., Nogawa, A., Matsunaga, T., Takegami, T., Nakagawa, H. and Ishigaki, Y.
    • Journal Title

      Int. J. Oncol.

      Volume: 44 Pages: 222-228

    • DOI

      10.3892/ijo.2013.2149

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] The scaffold protein JLP plays a key role in regulating ultraviolet B-induced apoptosis in mice.2014

    • Author(s)
      Enkhtuya, R., Sato, T., Wakasugi, M., Tuvshintugs, B., Miyata, H., Sakurai, T., Matsunaga, T. and Yoshioka, K.
    • Journal Title

      Genes Cells

      Volume: 19 Pages: 350-358

    • DOI

      10.1111/gtc.12135

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ヌクレオチド除去修復を阻害する低分子化合物の作用機序に関する解析2013

    • Author(s)
      西永真理、宮崎幸太郎、福島直紀、高森千枝、若杉光生、斎藤臣雄、長田裕之、松永 司
    • Organizer
      第36回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      神戸ポートアイランド
    • Year and Date
      20131203-20131206
  • [Presentation] 新開発セルベースドアッセイ系を利用したヌクレオチド除去修復研究の新展開2013

    • Author(s)
      松永 司
    • Organizer
      日本環境変異原学会第42回大会・シンポジウム「光遺伝毒性」
    • Place of Presentation
      岡山コンベンションセンター
    • Year and Date
      20131129-20131130
    • Invited
  • [Presentation] 癌細胞のシスプラチン感受性を増感させるヌクレオチド除去修復阻害剤の作用機序2013

    • Author(s)
      松永 司、西永真理、長田裕之、若杉光生
    • Organizer
      第72回日本癌学会学術総会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      20131003-20131005

URL: 

Published: 2015-05-28  

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