2014 Fiscal Year Annual Research Report
糖輸送タンパク質を分子標的とした新規抗がん治療薬の探索研究
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25640092
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
北川 隆之 岩手医科大学, 薬学部, 教授 (80092188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐京 智子 岩手医科大学, 薬学部, 助教 (00405755)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 糖輸送タンパク質 / GSK3阻害剤 / がん分子標的薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
<目的> 癌化に伴う糖輸送の亢進は古くより報告され、近年は早期診断法としてPET(陽電子放射線断層診断)にも応用されているが、その分子的基盤や分子標的治療薬は未解明である。我々はヒトHeLa融合がん細胞株を用いた研究より、「糖輸送タンパク質を分子標的とする新規抗がん治療薬の探索研究」を行い、腫瘍特異的なGLUT3発現抑制作用を持つGSK3阻害薬(セリンプロテインキナーゼ阻害薬)を見出し、その作用をin vitro, in vivo系で解析した(特許公開 2014)。本年度は、これまでの研究基盤に基づき、1)ヌードマウスを用いた抗腫瘍効果、2)GLUT3発現の高いことが予想されるヒト患者由来の大腸がん細胞株について検討した。 <結果・成果> 我々はHeLa融合細胞株を用いた腫瘍細胞選択的な薬剤スクリーニングより、GSK3阻害薬を見出し、GLUT3発現抑制効果を明らかにした。本年度の検討により、1)GSK3阻害薬は、ヌードマウスを用いたHeLa融合細胞移植腫瘍に対しても部分的な抗腫瘍効果を示し、奏効腫瘍ではGLUT3発現抑制も確認された。2)GSK3阻害薬はGLUT3発現の高いヒト大腸がん細胞に対して、増殖抑制効果とGLUT3発現抑制効果があることが確認された。 以上の結果より、GSK3阻害薬はGLUT3発現の高いヒト腫瘍に対する新しい分子標的薬となる可能性が示唆された。今後は、GSK3阻害剤の抗腫瘍分子メカニズム及び標的とするヒト腫瘍について検討を行う予定である。
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Research Products
(5 results)