2014 Fiscal Year Research-status Report
Allelic imbalanceによる行動表現型のゲノム拘束性と可塑性の検証
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25640097
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
和多 和宏 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70451408)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発声学習 / 対立遺伝子不均衡 / ソングバード / ハイブリッド / 遺伝子発現 / 種特異的 / 個体差 / 学習臨界期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、『遺伝要因』を父・母由来別のゲノム情報として分別し、生育過程における『環境要因』を介して学習行動において脳部位特異的にいかに表象されているかを遺伝子発現レベルで明らかにすることである。本研究では、種特異的な囀りパターンを学習によって獲得する鳴禽類ソングバードの異種間ハイブリッド個体を用い、音声発声学習過程における発声行動表現型(音声発達変化・学習戦略・固定化した発声パターン)に着目する。これと同時に発声学習・生成のために特化した脳内ソングシステムに発現している遺伝子群が、父母アレルのどちらに由来するかゲノムワイドに測定することを行っている。 当該年度において、以下の点において研究が進捗した。 (1)次世代ゲノムシークエンス解析において、ゲノム機能情報研究グループの瀬々潤博士との共同研究でAllelic imbalance制御を受けている種特異的発現遺伝子の同定が進んだ。特にこの解析過程においては、発声学習・生成に関わる脳部位特異性にも注意を払い、候補遺伝子群の同定を進めた。現在までに総数で300遺伝子以上の候補遺伝子まで絞込みができている。 (2)新規に独自開発した発声行動解析法により、ハイブリッド個体の発声学習発達を詳細に解析できることが可能とった。その結果、当初の予想よりも非常に早い発達初期段階から個体差がある学習バイアスが存在することが明らかになりつつある。特に学習バイアスは構成音素の音響特性に強く関連していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
次世代ゲノムシークエンス解析において、ゲノム機能情報研究グループの瀬々潤博士との共同研究でAllelic imbalance制御を受けている種特異的発現遺伝子の同定が進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、 (1)次世代シークエンス解析で得られてきた候補遺伝子群の脳内の発現パターン・レベルの検証実験の施行 (2)発達初期の学習バイアスによる発声学習発達への影響を行動実験でさらに検証していく。
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Research Products
(6 results)