2014 Fiscal Year Annual Research Report
Plant genetic loci controlling rhizosphere microbial community composition
Project/Area Number |
25640103
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
池尾 一穂 国立遺伝学研究所, 生命情報研究センター, 准教授 (20249949)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | メタゲノム / 根圏 / イネ / 次世代シークエンス / 比較ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
根を取り巻く微生物群集の組成は根の影響を受けているが、植物体の遺伝子型の違いにより、微生物群集の違いを引き起こす可能性がどの程度かは不明である。根圏に関する微生物のコミュニティが、植物の遺伝子型に応じた多様性とその組成が明らかになれば、その情報を用いて有利な根圏組成物用作物ゲノムを育種することが可能となる。 作物ゲノムは、品種育成栽培中に発生したボトルネックの影響を受けた遺伝背景を持っている。その狭い遺伝背景が根圏関連微生物群集の組成に制限を引き起こすかどうかも不明である。そこで、異なる遺伝背景の影響下でのイネ根圏微生物群集の微生物叢組成の多様性を調べるために、栄養の乏しい土壌で成長させた異なる遺伝背景を持つ野生種と栽培種イネの根圏微生物叢の多様性を次世代シークエンサーによるメタゲノムの手法を用いて調査した。 上記の問題に答えるための最初の段階として、イネ野生種や栽培品種を栄養の乏しい土壌で成長させ、その根園微生物群集の組成を次世代シークエンサーによるメタゲノムシークエンスから得られた16S rDNAの塩基配列を使用して、根圏の微生物群集組成を土壌細菌と古細菌を含めて調べた。 その結果、植物の遺伝子型に関連する微生物群集の組成は、イネ種や品種の系統発生的距離と相関していないことが明らかになった。 また、得られた結果は、野生イネ種の根圏微生物群は、野生種が栽培種よりもその根圏に大きな影響を及ぼし得ることを示唆し、品種に依存するものよりも多様であった。これは、根圏微生物を選択する能力は、米の栽培化を通じて形成された可能性を示唆している。
|