2015 Fiscal Year Annual Research Report
免疫親和性を利用したタンパク質アシル化の網羅的解析法の開発
Project/Area Number |
25650008
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
増井 良治 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (40252580)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロテオーム / 蛋白質 / シグナル伝達 / 発現制御 / 細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では,グラム陰性菌3種 (うち好熱菌2種),グラム陽性菌2種 (うち好熱菌1種) の計5種のバクテリアについて,蛋白質リシン残基のプロピオニル化とスクシニル化の解析を行った。まずプロピオニル化はThermus thermophilus (129箇所),Geobacillus kaustophilus (83箇所) で多く見られたのに対し,Bacilllus subtilis (7箇所),Escherichia coli (10箇所),Rhodothermus marinus (2箇所) では少なかった。この研究により,プロピオニル化がバクテリアに広く存在する翻訳後修飾であることが初めて示された。また,プロピオニル化の多寡と系統関係や生育温度との間には直接的なつながりはなく,近縁種でも異なる分布パターンを示した。次にスクシニル化は,G. kaustophilus (65箇所),B. subtilis (84箇所),E. coli (123箇所) に多く見られた。同一の手法を用いて種横断的に調べた結果,同じアシル化であってもその分布に大きな違いがあることが明らかとなった。同定されたアシル化部位は代謝や翻訳に関わる蛋白質に多く見られたが,立体構造上にマッピングした結果,機能的に重要な部位がアシル化されている例が多く見られた。プロピオニル化は酵素の活性部位に多く,スクシニル化は核酸の結合部位に多いという特徴が見られた。これらの結果は,プロピオニル化とスクシニル化が異なる制御を受けて独自の機能を持っていることを示唆した。さらに富栄養培地から栄養制限培地にすると,アシル化の種類や数が大きく変動することも判明した。本研究を通じて,アシル化リシン特異的な抗体を用いた蛋白質アシル化の網羅的解析法を確立し,アセチル化以外のリシンアシル化がバクテリア界に広く存在することを明らかにした。
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[Journal Article] Roles of Mn-catalase and a possible heme peroxidase homologue in protection from oxidative stress in Thermus thermophilus2015
Author(s)
Ebihara, A., Manzoku, M. Fukui, K., Shimada, A., Morita, R., Masui, R., and Kuramitsu, S.
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Journal Title
Extremophiles
Volume: 19
Pages: 775-785
DOI
Peer Reviewed
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