2014 Fiscal Year Research-status Report
テロメアタンパク質による新規ゲノムオーガニゼーションメカニズム
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25650012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加納 純子 大阪大学, たんぱく質研究所, 准教授 (10323809)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | テロメア / DNA複製 / 染色体 / 核 |
Outline of Annual Research Achievements |
核内における染色体の三次元的配置は、DNA繊維の単純な折りたたみだけでなく、核膜局在タンパク質と染色体との相互作用や特定の染色体ドメイン同士の相互作用などによって決定される。このような配置は、転写、DNA複製、DNA修復、染色体分配などの核内反応に大きな影響を及ぼすことが知られている。従って、核内染色体配置の制御メカニズムは、ゲノム安定性や遺伝子機能発現において極めて重要であると言える。しかし、その配置を決定するメカニズムについては、全容解明までまだ程遠い状況である。そこで本研究では、線状染色体末端のテロメアにおいて機能するタンパク質がテロメア以外の染色体領域に局在して染色体の配置や機能を制御している可能性について解析を行った。 分裂酵母のテロメア結合タンパク質であるTaz1およびRap1のゲノムワイドな染色体局在を調べるため、ChIP-Seq解析を行った。その結果、テロメア以外の染色体領域にはTaz1もRap1もほとんど局在していないことがわかった。ただし、Taz1が複製開始点近傍にごく少量局在するという報告があることから、DNA複製におけるRap1の役割について解析を進めることにした。Rap1を欠損させると、S期後期に発火するlate originの一部の発火タイミングが異常になった。さらに、複製タイミングに深く関わっていることが知られているテロメア結合タンパク質Rif1およびTaz1との関係も調べた結果、分裂酵母においてDNA複製タイミングを決定しているのはRif1であり、Taz1は一部のlate originにおいてRif1の局在化に必要であり、Rap1は直接的には関与しないということがわかった。Rap1を欠損した際に見られたDNA複製タイミングの変化はテロメアDNA長が異常に伸長したために起こったと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の期待通りのデータは出なかったが、DNA複製におけるテロメア結合タンパク質の機能について新展開が見られており、現在論文にまとめるべく解析を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
Rap1破壊株、Taz1破壊株、Rif1破壊株でゲノムワイドな複製タイミングの変化をChIP-seqにより解析する。また、我々のモデル通りにRif1がすべてのlate origin近傍に局在し、その一部はTaz1に依存し、Rap1欠損株でそれらの局在に変化が起こるのかどうか確認する。
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Causes of Carryover |
当該研究を行っていた研究員が昨年夏に急遽退職してしまったため、研究の進行が一部遅れた。そのため、本来ならば昨年度に行う予定であったChIP-seq解析を後に回したため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
rap1, taz1, rif1破壊株におけるDNA複製の様子を調べるため、次世代シークエンサーを用いてChIP-seq解析を行う。次年度使用額は、この解析および、これに関連した実験のための試薬に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 染色体末端の神秘2014
Author(s)
加納純子
Organizer
第21回酵母合同シンポジウム
Place of Presentation
東京大学、東京
Year and Date
2014-09-03 – 2014-09-04
Invited
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