2014 Fiscal Year Annual Research Report
交流電場を用いたエントロピー操作によるタンパク質結晶の高品質化技術の開発
Project/Area Number |
25650017
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小泉 晴比古 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10451626)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 交流電場印加 / タンパク質結晶 / 結晶の完全性 / ロッキング・カーブ測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム創薬やテーラーメイド医療を現実にするためには、「タンパク質の核形成過程の制御」と「タンパク質結晶の品質の制御」という困難な問題を解決しなければならず、これらの問題を解決することのできる新しい結晶育成技術の開発が望まれている。このため、本課題は、交流電場印加によるタンパク質結晶の完全性への影響に焦点を当てることにより、核形成頻度の制御ができ、かつ、育成する結晶の高品質化も行うことのできる新しいタンパク質結晶育成技術の開発を目的としている。 前年度までの研究で、固相に印加される電場の効果が大きくなる1 MHzの交流電場を印加することにより、育成される正方晶リゾチームの完全性、および、均質性が改善されることが示されてきた(H. Koizumi et al., AIP Conf. Proc. (2014).)。そこで、本研究は、液相に印加される電場の効果が大きくなる周波数において、正方晶リゾチームの完全性がどう変化するのかを調べた。 結果として、液相に印加される電場の効果が大きくなる20 kHzの交流電場を印加すると、正方晶リゾチームの完全性は、低次の反射においてロッキング・カーブ曲線の半値幅の値は小さくなっているものの、高次の反射ではロッキング・カーブ曲線の半値幅の値は、十分小さくなっていないことが分かった。また、これらの半値幅の値を詳細に解析すると、20 kHzの交流電場を印加することにより、結晶内の歪みが大きくなることが分かった。このことは、交流電場印加により育成される結晶の完全性を改善させるためには、最適な周波数が存在することを示唆しており、固相に印加される電場の効果を大きくすることが重要であることが分かった。
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Research Products
(6 results)