2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25650023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島村 達郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90391979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 紀通 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10314246)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 輸送体 / トランスポーター / X線結晶構造解析 / 創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
膜輸送体は、糖尿病や鬱病など多くの病気に関与しており、重要な創薬ターゲットとなっている。そのため膜輸送体の立体構造情報は、膜輸送体の機能解明に必須であるばかりか、効率的な創薬にも役立つ。一方、ヒトをはじめ哺乳類の膜蛋白質は不安定で結晶化が難しいため、これまでに構造決定された膜輸送体の大半は細菌由来であり、創薬に役立つ構造情報は限られている。本研究では、ヒト由来膜輸送体の立体構造の決定を目指した。1年目は、いくつかのヒト由来膜輸送体について、酵母による大量発現系の確立を試みた。そのうちの複数のものについては、発現量は低いが酵母の系で発現させることができた。更に、これらのうち3種類については単分散性もよく結晶化に適していた。また、これらの膜輸送体については立体構造を認識して膜輸送体を安定化させる抗体の作製も試みた。これらと並行してラット由来の膜輸送体の大量発現系の構築、抗体作製も行った。2年目は、抗体を結合させることで膜輸送体の構造上のゆらぎを抑制し安定化させることで結晶化を行った。ヒト由来の膜輸送体については1種において微結晶ができたがデータ取得には至らなかった。ラット由来の膜輸送体については、糖輸送体について構造解析を行い、構造解析に成功した。この糖輸送体は、抗体のFv断片を結合させて結晶化し、得られた構造は外向きのものであった。共同研究先で構造解析に成功した内向き構造との比較を行い、論文を投稿中である。
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