2014 Fiscal Year Research-status Report
結晶非接触操作を可能にする結晶化促進剤充填ゲルカプセル内タンパク質結晶化法の確立
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25650026
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
菅原 道泰 独立行政法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 研究員 (00415192)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タンパク質結晶化 / ゲル / ゼオライト / 金属有機構造体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は汎用的タンパク質結晶化法,および良質回折データ獲得のための結晶マウント法の確立を目的とし,平成26年度では,タンパク質結晶化促進物質を含有したゲルカプセル内でのタンパク質結晶化を試みた.これまでの研究から,幾つかのゼオライト,および金属有機構造体がタンパク質結晶化を促進することを見出した.また,本研究で開発を進めているゲルカプセル内タンパク質結晶化法は,アルギン酸がカルシウムとのイオン架橋により形成するゲルカプセル内でタンパク質結晶化を行うものである.そのゲル環境下でのタンパク質結晶化は,回折実験に適した良質タンパク質結晶が析出する.そのゲルで保護されたタンパク質結晶をそのまま用いることで,結晶ハンドリング時における結晶の損傷が低減されるため,結果として良質回折データの収集が可能である.そこで,難結晶性タンパク質の結晶獲得,および良質回折データ収集を目指し,タンパク質結晶化促進物質をゲルカプセル内に導入した結晶化を行った.結果として,ゲルカプセル内の結晶化促進物質表面からタンパク質結晶を析出させることに成功した.次に,その得られた結晶含有ゲルカプセルをそのまま用いてSPring-8ビームラインで回折データ収集を行った.ゲルカプセル,およびタンパク質結晶化促進物質を併用した結果として,大幅に回折分解能が向上した回折データセットを得た.現在,本手法を用いた膜タンパク質の結晶化を進めており,その結晶の析出を確認している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は研究計画にしたがって,おおむね順調に進展している.その成果として,タンパク質結晶化を促進する物質を見出し,また,それら結晶化促進物質をゲルカプセル内に導入することで,良質タンパク質結晶の獲得に成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
市販自動結晶化装置を用いたゲルカプセル結晶化は既に進めており,自動結晶化条件スクリーニングは可能になりつつある.しかしながら,その分注精度は,用いる結晶化プレートの種類によりバラつきが大きいため,自動結晶化に適した結晶化プレート,および各結晶化プレートに対応した分注条件(分注ノズルの位置,分注ボリューム等)を調査する予定である.
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Research Products
(3 results)