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2013 Fiscal Year Research-status Report

高機能型新規バイオミネラル結合タンパク質の開発に関する研究

Research Project

Project/Area Number 25650027
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

近藤 英昌  独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (80357045)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsバイオミネラリゼーション / 機能性タンパク質 / 結晶成長
Research Abstract

本研究は、生体中に存在する結晶性物質であるバイオミネラルに結合するタンパク質を高機能化し、新たな機能性タンパク質を創成することを目的とする。そのために、バイオミネラルとタンパク質の相互作用を解析する。さらにバイオミネラルとの結合に関わる部位を改変することによって結合能の向上した分子を作成する。
本年度は、膵臓結石の主成分である炭酸カルシウム結晶に結合し成長を阻害するタンパク質であるリソスタシンを対象として、結晶に対する結合能の評価法の開発、結合部位の同定、及び結合モデルの構築を行った。
リソスタシン溶液に炭酸カルシウム結晶を混合させることによって簡便に結合量を評価することができることわかった。また、リソスタシン溶液中で成長させた炭酸カルシウム結晶を観察することによって、リソスタシンが結合する結晶面に関する知見が得られた。
リソスタシンの結晶結合部位は、分子から突き出したN末端部、または分子中央部に存在すると考えられているが、統一した見解は得られていない。そこで本研究では、リソスタシンを酵素処理によってN末端部とそれ以外の部分に分解し、それらと未分解のリソスタシンを用いて炭酸カルシウム結晶への結合能を評価した。その結果、結晶結合部位は分子の中央部の表面に存在していることがわかった。さらにこの部位に多く存在する酸性残基に変異を導入することによって結晶への結合が大きく影響を受けることが明らかとなった。これらの知見に基づき、リソスタシンと炭酸カルシウム結晶との結合モデルを構築した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究ではバイオミネラルに対して特異的に結合するタンパク質に着目し、その結合メカニズムを明らかにすること、および高い結合機能を有するタンパク質を創成することを目的として、以下の研究を行っている。それぞれの研究要素に関する進展を記載し、本研究の到達度の自己評価を行う。
1)炭酸カルシウム結晶への結合能の評価法の開発
市販の試薬である炭酸カルシウムをリソスタシン溶液に混合し、結合したリソスタシンを定量することで、結合能が評価できることがわかった。この方法をマルチウエルプレート等を用いて行うことで多検体を同時に評価できると考えられる。また、リソスタシン溶液中で成長した炭酸カルシウム結晶の形状を電子顕微鏡等で観察させることによってリソスタシンが結合する結晶面とに関する知見を得ることができた。これらの方法を変異体等に適用することによって、結晶への結合能を解析できると考えられる。
2)リソスタシンの炭酸カルシウム結合部位の同定
酵素処理によって部分的に分解されたリソスタシンを用いることで、炭酸カルシウムへの結合部位を同定することができた。この知見は、今後の変異体作成実験や、立体構造が類似しているが機能が全く異なるII型不凍タンパク質へバイオミネラル結合機能の導入などに活用できると考えられる。
本年度のこれらの結果から、研究目的の達成度はおおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

リソスタシンおよびその変異体の炭酸カルシウム結晶に対する結合能の解析を継続するとともに以下の研究を行う。
1)リソスタシンとII型不凍タンパク質の構造の比較による機能部位の抽出
リソスタシンとアミノ酸配列が類似している相同タンパク質として、魚類由来のII型不凍タンパク質が知られている。ともに130 残基程度であり、60-70%の相同性を有している。立体構造の骨格はほぼ同一であるが、両者は異なる結晶性物質へ結合する性質を持っている(リソスタシン;炭酸カルシウム結晶、不凍タンパク質;氷結晶)。結合の特異性の違いは、それぞれの分子表面に存在しているアミノ酸残基の違いを反映したものであると考えられる。今後は、II型不凍タンパク質へリソスタシンの結晶結合部位を導入し、不凍機能と炭酸カルシウム結合機能をあわせ持つタンパク質の作成を試みる。
2)高結合能を有した変異リソスタシンの取得行う。
結晶結合面へランダムに変異が導入されたライブラリーを作成する。それらからの炭酸カルシウム結合能の高い変異体を選抜し、機能の向上したリソスタシンの取得を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

結晶結合部位へ変異を導入した変異体の作成数が計画よりも少なかったため、使用額が減少した。
結晶結合部位に関する知見を確立するために、同部位への変異体を多数作成する予定である。そのために必要な試薬類、キット類、および電子顕微鏡や共焦点顕微鏡による観察に必要な消耗品類に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Identification of calcite-binding site of lithostathine2013

    • Author(s)
      富樫征也、花田祐一、奈良真帆、津田栄、近藤英昌
    • Organizer
      第51会日本生物物理学会年会
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館(京都市)
    • Year and Date
      20131028-20131028

URL: 

Published: 2015-05-28  

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