2013 Fiscal Year Research-status Report
標的蛋白化学的切除試薬(ケミカルシザーズ)の開発と応用
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25650038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
野崎 修 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (50164687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
靜間 基博 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, その他部局等, 研究員 (40416318)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルブミン / ペプチド / アミノ酸 / chemical scission / 化学発光 / αー炭素 / 窒素含有複素環 / オルトフタルアルデヒド蛍光化・過酸化二重修飾 |
Research Abstract |
1) 具体的内容: アルブミン・ペプチド・アミノ酸のchemical scission作業過程は、過酸化誘導とchemical scission検証の二段階で行った。 a) アルブミン・ペプチド・アミノ酸の過酸化誘導: アルブミン・ペプチド・アミノ酸の直接過酸化方法を検討した。アルブミン・インスリン・アミノ酸を過酸化水素を用いて過酸化体へ誘導した。過酸化誘導体生成の検証は、鉄含有触媒(ヘモグロビン、ヘミン、ヘマチン、フェリシアン化カリ)で化学発光反応を行って発光することで行った。b) アルブミン・ペプチド・アミノ酸のchemical scission検証:Chemical scissionの検証は、質量分析計および蛍光画像計測法を用いて行った。具体的には、質量分析法(TOF-MASS)で過酸化インスリンの親ピークは消失し、小さな分子ピークの多数出現した。他法、蛍光画像計測法では、アルブミン、インスリン、アミノ酸をo-phthalaldehyde(OPA)蛍光化誘導と過酸化の二重修飾を行った。それらOPA誘導体は化学発光反応前ではいずれも蛍光像(青白色)を呈したが、化学発光反応後ではいずれもOPA蛍光が消失した。 2) 意義: a) アルブミン・インスリン・アミノ酸の過酸化およびOPA蛍光体二重修飾を本研究で、世界で最初に成功した。b)アルブミン・インスリン・アミノ酸の過酸化部位は、アミノ酸α-炭素の位置と考えている。 また、ヒスチジンやトリプロファンでは、その窒素含有複素環構造も過酸化されていると考えている。 3) 重要性: タンパク・ペプチド・アミノ酸の破壊が、タンパク・ペプチド・アミノ酸の過酸化過程を経由して可能となった。その祭生じる発光が、破壊反応進行信号となることが本研究により提示できた。この信号がタンパク・ペプチド・アミノ酸の破壊の「可視化」評価に有益である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究達成のキーポイントは、2要素で構成される。第一要素は、アルブミン・ペプチド・アミノ酸の過酸化水素による過酸化修飾化技術の開発である。その過酸化がこれまでの研究で可能となった。第二要素は、過酸化アルブミン・ペプチド・アミノ酸を化学発光反応させた際のアルブミン・ペプチド・アミノ酸の破壊である。それらアルブミン・インスリンおよびアミノ酸が発光現象を伴って破壊できているのが証明できた。すなわち、インスリンの破壊は、TOF-MASS法およびオルトフタルアルデヒド・過酸化二重修飾インスリンが発光反応で蛍光が消失したことより証明できた。また、アルブミンおよびアミノ酸のchemical scissionの証明は、オルトフタルアルデヒド・過酸化二重修飾インスリンが発光反応で蛍光が消失したことよりできた。これまで得られた研究成果は、第2年度に国際会議で口演発表予定である。Osamu Nozaki. Chemical scission of albumins, peptides and amino acids and accompanying chemiluminescence after peroxidation with hydrogen peroxide, 演題番号O0049. The 18th International Symposium on Bioluminescence and Chemiluminescence, 23-28 June 2014, Uppsala, Sweden.
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Strategy for Future Research Activity |
以下の1,2,3の研究を推進する。 1) 化学発光カラー画像可視化: 第1年度に実施した検討(アルブミン・ペプチド・アミノ酸の直接過酸化修飾後のchemical scission)の可視化検討を推進する。すなわち、蛍光可視化は、第1年度に可能になったので、更に化学発光可視化について検討する。現行化学発光測定装置は、光電子増倍管による光子量を測定しているが、画像測定はできないためである。本研究での化学発光可視化方法の新規開発は、一眼レフカラーデジタルカメを使用して、タンパク・ペプチド・アミノ酸化学発光のカラー画像可視化を目指す。 2) アルブミンのアフィニティーchemical scission: アルブミンのアフィニティーchemical scissionを検討する。まず、過酸化抗アルブミン抗体を作成する。その過酸化抗アルブミン抗体を用いてとアルブミンとの免疫結合複合体を作成する。複合体の過酸化部位を化学発光反応で破壊して、アルブミンの破壊に繋げる。本法が成功すれば、アルブミン・ペプチド・アミノ酸の生体内scissionも可能になると考えられる。 3) アルブミン・ペプチド・アミノ酸の間接化学発光chemical scission: アルブミン・ペプチド・アミノ酸の第三のchemical scission方法を検討する。すなわち、窒素含有複素環物質を予め過酸化修飾後、化学発光の場にアルブミン・ペプチド・アミノ酸を混在させておく。過酸化窒素含有複素環を化学発光反応させることにより、アルブミン・ペプチド・アミノ酸の間接chemical scissionを行う方法である。本法が成功すれば、アルブミン・ペプチド・アミノ酸のchemical scissionがより容易に可能となるためである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1) 実験指導者招聘費用(2回分)の決済手続きがまだできていない。 2) 消耗試薬発注を、実験進捗状況により調整したため。 1) 実験指導者招聘費用(初年度分、2回分)は、当該年度に処理予定。 2) 初年度消耗試薬用残金分試薬発注を、当該年度に処理予定。
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Research Products
(1 results)