2013 Fiscal Year Research-status Report
特定糖タンパク質の可視化による”フコシル化タンパク質特異的極性輸送“仮説の検証
Project/Area Number |
25650041
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 匡 独立行政法人理化学研究所, 糖鎖代謝学研究チーム, チームリーダー (90345265)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 糖鎖 / イメージング / フコース / 極性輸送 / α-フェトプロテイン |
Research Abstract |
糖鎖修飾は真核細胞のタンパク質にとって主要な翻訳後修飾の一つであり、様々な疾病において糖鎖構造の違いがタンパク質の機能や安定性の変化をもたらしている例が数多く報告されている。それゆえ、特定の糖鎖構造を持つタンパク質の動態解析は糖鎖依存的におこる生命現象を紐解く上で重要である。 これまで、大阪大学の三善らによって糖タンパク質糖鎖の成分である“フコース”依存的なタンパク質の極性輸送機構の存在が示唆されているが、その分子機構の詳細は不明である。一方我々は、最近目的の糖タンパク質のうち、特定の糖を持つタンパク質のみを可視化する新技術の開発に成功した(Nature Commun. 3, 907 (2012))。そこで本研究では、この新技術を利用して糖鎖依存的な極性輸送のメカニズム解明を目指した。 本年度はモデルタンパク質として、ヒトで分泌され、Fuc依存的な極性輸送が示唆されているα-フェトプロテイン(AFP)-GFPの融合タンパク質の発現系の確立を目指した。まず極性輸送アッセイの系の確立に向けてHepG2の極性化は達成できた。またAFP中には分子中にN型糖鎖付加部位(Asn251)を一か所だけ持つが、野生型のAFPと、AFPのN型糖鎖付加部位を欠損したAFP(N251Q)のC末にGFPをつけたコンストラクトを作成した。これらのタンパク質は培養細胞中に発現することを確認したが、発現効率は期待よりかなり低かった。また、糖鎖の付加は確認出来た。また、分泌されるAFPを解析したところ、予想外に分子量の上昇がみられた。現在その原因を解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験系に用いるために作成したコンストラクトの発現効率が悪く、また予想外のタンパク質修飾が見られ、現在実験系の構築が思ったほど進んでいないのが現状である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回発見された予想外のタンパク質修飾反応を明らかにするとおもに、AFPの発現系とAFPの極性輸送のアッセイ系を早期に立ち上げたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は順調に執行したが、未執行の予算が若干残ったので次年度に合わせて用いることとした。 次年度消耗品の購入に使用する予定である。
|
Research Products
(9 results)