2014 Fiscal Year Annual Research Report
分化と運動の相関:ノコギリ型により細胞のミクロなゆらぎをマクロな運動へと変換
Project/Area Number |
25650049
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
大沼 清 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50396834)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 細胞運動 / ゆらぎ / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、未分化・分化ヒトiPS細胞の動きの量と質の違いを明らかにする事を目的としている。そのため、以前に発見した細胞をギザギザの型の中に閉じ込める方法と、様々な条件を一度に観察する方法を組合わせ、効率的に調べる事を目標とした。 細胞を型の中に閉じ込める技術では、物理マスクとプラズマで処理して親水・疎水パターンを作製した後に細胞非接着のγグロブリンと細胞接着のビトロネクチンを混合コートする方法の開発に、昨年度までに成功していた。しかし、直径2mmという大きなパターンの作製にしか成功していなかった(論文発表済み)。今年度は、直径0.2 mmの円形の型の中に数十個のヒトiPS細胞を閉じ込めることに成功し、論文として発表した。一度に100カ所以上の型が作製できるため、効率、再現性ともに非常に良く、細胞の運動観察が容易になった。 また、自遊空間(細胞が自由に動くことができる状態)での細胞運動を調べる実験では、昨年度は未分化なヒトiPS細胞の運動の追跡だけだったが、本年度は初期分化させた細胞も同時に比較しながら追跡が可能な系を立ち上げた。専用の観察チャンバーを作製し、ヒトiPS細胞を初期分化した場合と、未分化な場合とを比較した。その結果、未分化な細胞の平均速度が、分化細胞のそれに比べて有意に高い事を発見した(論文準備中)。 本研究改題では、当初予定した細胞接着領域の制御技術が使え無いことが判明し、代替案を採用したため想定以上に時間がかかり、当初の予定であるノコギリ型の細胞運動領域を用いての細胞の選別をする技術の開発にまでは至らなかった。しかし、型内において複数の培養条件で細胞運動を観察する系が確立でき、かつヒトiPS細胞が分化することにより運動性能が変化する事も発見できたため、遅れはあるものの目標に向けて順調に研究は進んだと言える。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Enzyme-free Passage of Human Pluripotent Stem Cells by Controlling Divalent Cations2014
Author(s)
Ohnuma, K., A. Fujiki, K. Yanagihara, S. Tachikawa, Y. Hayashi, Y. Ito, Y. Onuma, T. Chan, T. Michiue, M. K. Furue and M. Asashima
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 4
Pages: 4646
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Discs of human induced pluripotent stem cells on a plasma-patterned polydimethylsiloxane surface following single-step coating with vitronectin and γ-globulin2014
Author(s)
Y. Yamamoto, R. Yamada, K. Hattori, S. Tachikawa, M. Tagaya, T. Sasaki, D. Miyamoto, K. Nakazawa, S. Sugiura, T. Kanamori, and K. Ohnuma
Organizer
micro TAS 2014
Place of Presentation
San Antonio, Texas, USA
Year and Date
2014-10-26 – 2014-10-30
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