2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25650062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50115929)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膜蛋白質 / 凍結割断レプリカ法 / ビオチン化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、蛋白質分子間のナノレベルの近接が生じる細胞内部位を電子顕微鏡で直接観察する手法を確立することである。検出系を確立するためのモデルとして、G蛋白質共役型受容体である出芽酵母の細胞膜蛋白質Ste2pを解析対象に選んだ。Ste2pのC末端欠失変異体(ΔTail)は細胞膜に局在し、一部がホモ2量体として存在する。ビオチンリガーゼBirAとその基質となる配列のそれぞれをSte2pΔTailに付加したコンストラクトを作製し、内在性Ste2pをあらかじめ欠失させた酵母に共発現させた。この株から作製した凍結割断レプリカ上で分子間反応を試みたところ、反応で生じるはずのビオチンを検出することはできなかった。この原因を明らかにするため、導入したタグに対する抗体標識を行った結果、Ste2pの発現自体を確認することはできたが、2重標識実験の結果、BirAおよびBirA認識配列を付加したSte2pの共局在の程度が低い可能性が示唆された。両者の会合頻度を高めるため、より強いプロモータに変更することで発現量を増加させた酵母株を作製した。現在、この株を用いてビオチン化反応を効率よく検出できる条件を模索している。また不調に終わった原因として分子間反応の効率そのものが低かった可能性も考えられるため、BirA認識配列として報告されている複数の配列に関してビオチン導入効率を確認中である。さらにBirA認識配列を複数タンデムに挿入したコンストラクトも作製し、検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検出方法の確立には到っていないが、具体的な問題点が明らかになり、その克服に向けた取り組みが進行中である。研究を加速させ、研究目的達成を図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
検出系を確立するため、1)BirAおよびBirA認識配列を付加したSte2pの発現量を増加させた条件、2)他のBirA認識配列の使用、3)BirA認識配列をタンデムに付加したSte2pの使用などを検討する。Ste2pによる実験が不調に終わった場合には、多量体形成タンパク質(Fet3p)を用いて再度試行する。またビオチン化による方法と並行して、split-GFPを凍結割断レプリカ標識法に応用する計画も進める。この場合には2分子にGFPのN末端半分、C末端半分を融合させ、両者が近接した場合にのみGFPが完成することを利用し、完全長のGFPのみを特異的に検出する抗GFP抗体で標識を行う。
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