2013 Fiscal Year Research-status Report
RNAスプライシングを介した新たな細胞分裂開始機構の解明
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25650063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
千賀 威 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80419431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 章男 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10343203)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | BCAS2 / CDC5L / SNW1 / RNA / スプライシング |
Research Abstract |
細胞分裂には多くの複雑な制御機構が関与している。しかしながら、その詳細なメカニズムはいまだ不明である。我々は様々な手法を用いて新たな細胞分裂に関わる重要な因子の探索を行ってきた。その結果、いくつかのRNA結合タンパク質が細胞分裂の進行に重要であることを見出した。今回我々はBCAS2、CDC5L、SNW1というタンパク質に注目した。これらのタンパク質の発現を抑制すると多くの細胞は分裂期で停止するか、もしくは細胞死を引き起こした。これらのタンパク質がどのようにして細胞分裂を制御するか明らかにするため、それぞれに結合するタンパク質の網羅的な解析をおこなった。いくつかのタンパク質が同定されたが、多くはRNAのスプライシングに関わるタンパク質であった。その中で我々はEFTUD2、PRPF8、SNRNP200というRNAスプライシングに必須なタンパク質に注目した。これらの遺伝子の発現をそれぞれsiRNAという手法を用いて抑制すると、細胞分裂の進行が顕著に抑制された。さらにいくつかの癌細胞において発現を抑制すると、細胞死が誘導され、細胞増殖が顕著に抑制された。この結果は、これらの分子を標的とした癌治療の可能性を示唆する。さらに我々はSNW1、BCAS2、CDC5LがどのようにしてEFTUD2、PRPF8、SNRNP200に結合するのかを明らかにする詳細な検討をおこなった。現在進行中であるが、SNW1は中央分のSKIP領域を介してEFTUD2のN末、またSNRNP200のC末に結合していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はBCAS2、CDC5L、SNW1がどのような複合体を形成するのかを明らかにすることを目標としていた。今回網羅的な解析をおこなうことで、これらのタンパク質がRNAスプライシングに関わるタンパク質と複合体を形成することを明らかにし、さらにEFTUD2、SNRNP200、PRPF8というタンパク質と複合体を形成することを様々な方法で確認している。また、EFTUD2、SNRNP200、PRPF8のそれぞれが細胞分裂の進行や細胞の増殖に必須であることを見出している。 当初の予定では、これらの複合体がどのようなRNAと結合しているかを明らかにすることも目的としている。これは困難な実験であるが、準備も進みつつあり、実験の進行は順調であると結論できる。
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Strategy for Future Research Activity |
BCAS2、CDC5L、SNW1がどのようにして他のRNAスプライシング因子と複合体を形成しているかを詳細に検討し、明らかにする。そしてその複合体形成を抑制するようなタンパク質を用いて、細胞分裂の進行が抑制されるか、また細胞死が誘導されるかなどを検討する。当初の目的にはなかったが、複合体形成を抑制する阻害タンパク質が癌治療に応用できるか検討する。 BCAS2、CDC5L、SNW1が細胞分裂をどのようなメカニズムで進行させるかを明らかにするため、結合するRNAの同定をこころみる。これらのタンパク質を免疫沈降し、そして抽出したRNAをシークエンスにて同定する。そしてこれらのタンパク質がRNAの翻訳を介して細胞分裂を制御しているか検証する。
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