2014 Fiscal Year Annual Research Report
新たな蛋白質間相互作用の発見を目指す共局在オーム解析法の確立
Project/Area Number |
25650068
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
木俣 行雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (60263448)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オルガネラ / 酵母 / 蛍光タンパク質 / 網羅的 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞は多種多様なタンパク質を発現するが、それぞれを緑色タンパク質あるいは赤色タンパク質にて蛍光標識し、細胞内にて共発現させ、赤色蛍光と緑色蛍光の位置関係を網羅的に調べる解析を共局在オームと称する。本研究では出芽酵母細胞が発現すると考えられる約6000種類のタンパク質を題材とした共局在オーム解析の基盤整備を進めることを試みた。出芽酵母においては、数多くのタンパク質がそれぞれ緑色蛍光タンパク質で標識されたライブラリーが存在している。昨年度までの研究において私は、そのライブラリー株において、緑色蛍光タンパク質遺伝子を赤色蛍光タンパク質に置き換えることができる手法を開発した。本年度は小胞体に着目し、小胞体局在とされている可溶性タンパク質100種類について、緑色蛍光タンパク質標識を赤色蛍光タンパク質標識に置き換える作業を行った。あるタンパク質を緑色蛍光タンパク質標識した細胞と他のタンパク質を赤色蛍光タンパク質標識した細胞を交配することにより、2種類の蛍光標識タンパク質を共発現する細胞を作出することが可能になる。細胞の交配においては、HO遺伝子導入による性転換法を用いた。そして私は、このようなプロセスで得られた2倍体細胞のそれぞれについて蛍光顕微鏡観察を行い、緑色蛍光と赤色蛍光の細胞内分布とそのオーバーラップについておデータを集めた。蛍光顕微鏡観察における緑色蛍光の赤色蛍光フィルターへの漏れ、および赤色蛍光の赤色蛍光フィルターへの漏れは、単独の蛍光タンパク質を発現する細胞の蛍光画像プロファイルにて補正した。そして私は、小胞体タンパク質と分類されたタンパク質も総じて小胞体全体に一様に分布しているのではなく、それぞれ固有のムラをもって分布していることを見いだした。すなわち、小胞体の中にさまざまなドメイン構造が存在していることが強く示唆されたのである。
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