2014 Fiscal Year Annual Research Report
後期エンドソーム特異的リン脂質ビスモノアシルグリセロリン酸の生合成酵素遺伝子同定
Project/Area Number |
25650072
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
本 賢一 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 専任研究員 (90333335)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | BMP / ホスホリパーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
ビスモノアシルグリセロリン酸(BMP)は後期エンドソーム特異的に局在するリン脂質であり、タンパク質および脂質の分解やソーティングに関与していると考えられているが、その機能に関しては不明な点が多く、またその生合成経路に関しても未だに不明瞭である。本研究ではBMPの生合成に関わる酵素を明らかにし、さらにBMPの機能解明に有用な酵素遺伝子欠損細胞株の作製を目的とした。 昨年度にHeLa細胞の初期エンドソームおよび後期エンドソームのプロテオーム解析を行い、BMP生合成関連酵素の候補として5種類のアシルトランスフェラーゼと9種類のホスホリパーゼを得たことから、本年度はHeLa細胞を用いてこれらの遺伝子を安定発現する細胞株とtet-onシステムを利用可能な誘導型のshRNAを持つ細胞株をそれぞれ作製し、LC-MSを用いて各々の細胞のBMPを定量した。その結果、前述のホスホリパーゼのうちの一つをノックダウンした際にBMP量が徐々に減少し、ノックダウン4日目までに約60%減少したことから、このホスホリパーゼがBMPの生合成に関与していることが明らかとなった。また、このホスホリパーゼを継続的にノックダウンさせた場合、細胞株の増殖速度はノックダウン前に比べて50%以下になるものの、死滅せずに2週間以上培養できることを確認した。当初予定していたBMP関連酵素遺伝子の欠損細胞株を作製することはできなかったが、上記のホスホリパーゼ遺伝子をノックダウンさせた細胞株でも代用可能でありであり、今後この細胞株を用いることによりBMPの機能解明が期待できる。
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