2014 Fiscal Year Annual Research Report
独自のin vivoイメージングを利用したマウスのプログラム細胞死の網羅的解析
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25650078
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
辻本 賀英 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (70132735)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | programmed cell death / apoptosis / necrotic cell death / acrydine orange / propidium iodide / imaging / Bcl-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
プログラム細胞死は、多細胞生物において形態形成や組織の恒常性維持などに関わっている。近年、我々を含む一部の研究者は、アポトーシスはプログラム細胞死の一機構に過ぎないことを提唱し始め、研究結果を報告し始めている。本研究では、我々が確立した非アポトーシス型細胞死のin vivoイメージング法と種々のノックアウトマウスを用いて、これまで網羅的・定量的解析が可能でなかったマウスの個体内での非アポ トーシス型細胞死機構の役割について解析を行い、プログラム細胞死の真の理解に向け、細胞死研究の新たな展開を牽引することを目的とした。 独自に立ち上げた非アポトーシス型細胞死を可視化する技術(蛍光色素PIを利用)とアポトーシスを可視化できるアクリジンオレンジを用い、野生型マウスの個体発生期(E9.5~E16.5)のプログラム細胞死の時空間的観察を行った。これらPI陽性死細胞の発生機序を知るために、まずアポトーシス因子欠損マウス(Bax/BakダブルKOマウスおよびCaspase-9 KOマウス)で同様の観察を行った結果、アポトーシス因子欠損により消失するPI陽性死細胞と消失しない死細胞が存在することが判明した。後者は、非アポトーシス型プログラム細胞死機構がin trinsicに関与する系と考えられた。特に骨形成領域に観察されたプログラム細胞死は電子顕微鏡観察においても、非アポトーシス型細胞死の形態を示していることを確認した。この細胞死に関与する因子を同定するために、細胞死関連の複数のノックアウトマウスを検討したが、オートファジーに関与するATG9a遺伝子を欠損したマウスでは、in vivoイメージングでこのプログラム細胞死が消失していることが判明した。このことから、骨形成領域で起きるプログラム細胞死は、ATG9aに依存した非アポトーシス型プログラム細胞死機構によると結論した。
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Research Products
(5 results)