2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞競合に関わる代謝ステータスとその制御因子の網羅的同定
Project/Area Number |
25650084
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松田 七美 早稲田大学, ナノ理工学研究機構, 准教授 (70360641)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞競合 / エネルギー代謝 / Myc / p53 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多細胞生物の発生、再生、発がんなどの過程に関わる普遍的な生命現象として注目される新しい概念である、細胞競合に着目する。細胞競合とは、器官・組織において、増殖が速く生存能の高い細胞群(勝ち組)が、増殖が遅く細胞死によって排除される細胞群(負け組)に競合し、細胞の増殖、細胞死、周期、分化などが統合的に制御されることにより、一定の大きさと機能をもつ器官・組織が形成される現象である。これまでに申請者らは、ショウジョウバエの翅原基、及び培養細胞株を用いた独自の細胞競合のin vivo、及びin vitroモデルを確立し、細胞競合関連因子として、がん遺伝子c-MycのショウジョウバエホモログdMycを報告してきた(松田 & Johnston, Proc Natl Acad Sci USA 104, 2007)。申請者は、予備的解析から、競合する細胞の運命決定に、それぞれ細胞におけるエネルギー代謝変化が関わることを見いだした。 そこで本研究課題では、上記モデルにおいて分子生物学的・生化学的解析を行った。その結果、勝ち組細胞においてdMycとp53により協調的に制御される好気的糖代謝の亢進が、細胞競合が生じる際に細胞非自律的に決定づけられる勝ち組、及び負け組それぞれの細胞特性のトリガーとなることを明らかにした。 さらに、エネルギー代謝制御に関わり、勝ち組と負け組が互いを感知する際の分子実体とその分子機構とは何か?という疑問を解決するため、モデルを応用し、メタボローム解析による細胞競合制御因子の機能的スクリーニングを行った。これらの解析から、競合する勝ち組、あるいは負け組細胞においてその特性決定に関わる候補低分子因子(23因子)を見いだした。ATP動態可視化プローブ(ATeam)を用いた解析系の開発を進めるとともに、さらなる解析を進めている。
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