2014 Fiscal Year Annual Research Report
イネ科新規モデル植物実験系の確立とその検証:環境応答研究をモデルケースとして
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25650090
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
上村 松生 岩手大学, 農学部, 教授 (00213398)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境応答 / モデル植物 / ミナトカモジグサ / 細胞膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度計画のうち「細胞の凍結融解過程における挙動解析」はBrachypodium distachyon葉からのプロトプラスト単離法の確立が当初計画通りに進まず、未だに様々な方法を試しながらプロトコールを探している状況である。一方、もう一つの研究項目「乾燥耐性の評価」についてはいくつか成果が得られ、さらに、塩ストレス(NaCl)に対する耐性も評価した。その結果、①3週間育てた芽生えでは10日間の灌水停止に耐える能力を持つこと、②4日間生育させた芽生えでは相対湿度75%(飽和NaCl溶液共存下)で2日間の処理には耐えられること、③3週間育てた芽生えは100 mM NaCl処理に2週間は耐えられることなどを明らかにした。
昨年得られた凍結耐性に関する研究成果を合わせて考えると、B. distachyonは凍結、乾燥、塩ストレスなど環境ストレス耐性機構を研究材料として利用できる単子葉モデル植物であり、イネ科植物を対象とした生理学的・生化学的な環境ストレス応答分子機構を理解する上で有効な実験材料となり得ることが明らかになった。さらに、遺伝子組換えが比較的容易に利用でき、変異体ライブラリーが充実してきていることから、環境ストレス応答に関連したOmics解析や遺伝子機能解析にも十分応えられるものと判断される。今後、B. distachyonで得られた知見が、イネ科作物の環境ストレス耐性増大に関する研究に大きく貢献していくことが期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Book] Proteomic approaches to identify cold regulated plasma membrane proteins. In: Methods in Molecular Biology, vol 1066, Plant Cold Acclimation: Methods and Protocols (Hincha DK, Zuther E, eds)2014
Author(s)
Takahashi D, Nakayama T, Miki Y, Kawamura Y, Uemura M.
Total Pages
282 (159-170)
Publisher
Springer Science+Business Media, LLC,
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