2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25650110
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
小林 亨 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (30221972)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生殖細胞「 / 体細胞 / 初期化 / 精巣 / イモリ |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は以下について研究を実施した: 1) イモリ精巣組織索状部の柱状上皮細胞の生殖細胞への分化転換誘起 これまでに,生殖細胞に特異的に発現する遺伝子としてnanos、vasa cDNAをクローニングし,これらに対する特異抗体を作製した。既に保有している生殖細胞特異抗体であるSGSA-1およびvasa抗体は、イモリ精巣組織において精原細胞、精母細胞,そして索状部の間質に分布する始原生殖細胞を特異的に認識するが、セルトリ細胞、間質体細胞、ライジッヒ細胞および索状部間質体細胞では陰性であった。これらの生殖細胞に特異的に発現する分子を指標として精巣組織索状部の柱状上皮細胞の生殖細胞への分化転換の是非について検討した。精巣組織から索上部以外の部分を除去し,エストロゲンの長期投与を行うと索状部柱状上皮の形態の変化が認めれた。これらについて生殖細胞に特異的に発現する分子であるSGSA-1およびvasaの発現について検討した。柱状上皮近辺においてvasa陽性細胞が確認された。しかし、柱状上皮の形態が著しく変化していたため、vasa陽性細胞の局在部は不明瞭であった。そこで、ラミニン抗体を用いて索上部のvasa陽性細胞の分布を検討したが、これらの細胞が柱状上皮細胞がどうかの識別は困難であった。現在、柱状上皮細胞の時系列変化を追跡するためのエストロゲン長期投与実験を行い、その時系列過程での柱状上皮の動態を追跡するための実験を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
26年度では、精巣組織索状部の柱状上皮細胞が、生殖細胞に分化転換する直接のevidenceを得ることが目的であったが、vasa陽性細胞の出現は確認できたが,その由来の同定まで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
「イモリ精巣組織索状部の柱状上皮細胞の生殖細胞への転換誘起」に関しては,現在、行っているエストロゲンの長期投与による柱状上皮細胞の変化過程において生殖細胞マーカー分子の発現を指標として詳細な時系列変化を解析することで,この過程における柱状上皮細胞の動態について明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
26年度は当初予定していた柱状上皮細胞の分化転換の直接的証明のために途中から、解析を中断し、時系列変化のための投与実験を行うことになり、若干の未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は、現在、行っている時系列変化のための解析を継続して行うため、26年度に使用用予定であった研究費はその解析のために使用する。研究費の大半はこれらの解析のための消耗品購入にあてることを予定している。
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