2013 Fiscal Year Research-status Report
シアノバクテリアのマクロなコロニーパターンの構築原理
Project/Area Number |
25650111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩崎 秀雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00324393)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シアノバクテリア / 形態形成 / コロニーパターン |
Research Abstract |
主にGeitlerinemaとPseudanabaenaの二種類のシアノバクテリアのコロニーパターンに関する解析を行った。 1. Geitlerinemaのコロニーパターンダイナミクスの解析: Geitlerinema sp.は安定な軌道を作りながら,渦状の特徴的なコロニーパターンを形成する。私たちはこのパターン形成ダイナミクスの定量的な解析を行っているが,spontaneous mutantと思われる形態異常株を分離した。この株はより流動的なコロニーパターンを描き,軌道安定性が相対的に低い。そこで,この株における運動能や軌道安定性の定量的な解析を開始した。現在までに,フィラメントの長さと速度や曲率の相関に標準株と顕著な差異が認められたほか,寒天濃度を変化させた場合の形状変化にも大きな違いが認められた。この種では,ゲノム解析は行われていないため,次世代シーケンサーを用いたde novoシーケンシングを念頭に,ゲノムDNAの抽出を試みつつある。また,セルオートマトンモデルを用いた数理モデルおよび,バネで質点間を連結した力学系モデルの構築を進め,標準株の挙動をかなりの程度再現するシミュレーションを実現しつつある。 2.Pseudanabaenaのコロニーパターンダイナミクスの解析: Pseudanabeanaは円盤状および彗星状の特徴的なコロニーを呈する。従来は二次元的なパターンの解析を行ってきたが,共焦点顕微鏡を用いて三次元的なフィラメントの積み重なりの動態を解析することで,移動するコロニーのどこに力がかかっているのかを解析した。また,予備的な三次元解析から,上層部のフィラメントは下層部に比べて相対的に移動度が低く,主として下層部の尾部が駆動力を生じているのではないかと推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲノム解析に関してはやや遅れているが,定量的な動態解析と数理モデルを用いたシミュレーション解析は順調に進んでいる。また,変異株を用いた解析にも新たな展開が見られ,今後に期待できる
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き上記の解析を行っていく。特にDNAの抽出とゲノム解析に注力する。 Pseudanabaenaについては,通常の標準株(ILC 545株)は200細胞以上が連結した長いフィラメントに成長するが,私たちは10細胞程度の短い長さを示すspontaneous mutant ILC580株を分離しており,その解析を開始する。この株では円盤状おおび彗星状のコロニーを形成しづらく,いわゆるEdenパターンのコロニーを生じる。この差が純粋に長さに起因するのかについて検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次世代シーケンサーを用いたゲノム解析の予算を予定していたが,DNA抽出法が最適化できておらず,遅れが生じたため,次年度以降に繰り越すこととした 上記の実験を繰り越し,次年度に行うこととした
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Research Products
(5 results)