2013 Fiscal Year Research-status Report
非モデル植物におけるゲノムスキャン解析のための基盤塩基配列データ迅速構築法の開発
Project/Area Number |
25650140
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
陶山 佳久 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60282315)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 連鎖解析 / 次世代シーケンサー / 花粉 |
Research Abstract |
基盤塩基配列データ迅速構築法として、花粉一粒DNAの全ゲノム増幅法の基礎技術開発を行った。その材料として当初予定していたシロイヌナズナではなく、既に研究室に保存してあったマツ属花粉を用いた。具体的には、花粉に含まれるゲノムDNAを全ゲノム増幅法によって増幅し、葉緑体DNAの塩基配列解析を行うことに成功した。なおこの手法では、材料(DNA)が極微量であることから、試料とは別に混在(コンタミネーション)したDNAを除去するために、エンドヌクレアーゼとエキソヌクレアーゼを用いて花粉表面に付着したDNAの除去、さらにPCRキャリーオーバー防止試薬を使用してキャリーオーバーによる偽陽性を防止した。 一方、パーソナル次世代シーケンサーによる花粉DNAの網羅的解読手法の基礎技術開発にも取り組んだ。解析用ライブラリーの構築および解析手法として、当初はRAD-seq (restriction-site associated DNA sequence)の手法を適用することを計画していたが、技術的な問題点が明らかになったため、別途新たな手法を考案し、その新手法をほぼ完成させた。この手法開発に予定よりも時間がかかってしまったため、花粉粒を用いた連鎖解析や、そのデータを用いた既存ゲノム情報との比較解析には至っていない。 次のステップとして、ゲノムサイズが最も大きい仲間の一つと考えられている非モデル植物のユリ科植物を対象として、その連鎖解析の基盤となる、交配家系を用いたゲノム情報の取得に着手した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎技術開発については順調に成果をあげつつあるが、パーソナル次世代シーケンサー分析用のライブラリー構築法の開発に予定より時間がかかってしまったため、実際に次世代シーケンサーを用いて花粉DNAの情報を得るところまでには至っておらず、連鎖解析にまで着手できていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
全ゲノム増幅およびパーソナル次世代シーケンサーによる解析のための新たなライブラリー構築法についてはほぼ確立できたため、今後はこれらの基礎技術を用いて、実際に花粉DNA分析に着手し、連鎖解析を行うことを計画している。
|