2014 Fiscal Year Research-status Report
「光らない」ホタルーなぜ弱く光るのか?おしりに目はあるのか?
Project/Area Number |
25650142
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大場 裕一 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (40332704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 摂之 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (30283469)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ホタル / 生物発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
非発光性ノハラボタル(Pyropyga sp.)を採集していた埼玉県三郷市の江戸川河川敷の集団は、大雨のためほぼ全滅したと考えられる。1個体のみを採集したが、残念ながら撮影中に逃げられ、実験に使用することはできなかった。採集地の第二候補であった江戸川河川敷では、今年は発見することができなかった。実験材料が急にいなくなってしまったことは本研究を進める上で予想外の大きな障害となってしまった。江戸川河川敷での夜の生態調査も予定していたが、そのごく近くで少年犯罪があったため、来年も調査は見送る予定である。 北米の光らないホタルについては、予定どおりフロリダ大の協力を得て、テネシー州産のPyropyga属の遺伝子解析を行うことができた。その結果、日本産ノハラボタルとの明確な近縁性が示唆されたが、同種と判断するには材料不足であると判断した。Pyropyga属は北米全体に広く分布しているので、テネシー州以外の産地のものも解析する必要があるだろう。 クロマドボタルならびに、沖縄で採集したサキシママドボタルの飼育実験を行った。その結果、サキシママドボタルの卵が発光していることを確認した。ただし成虫の発光は確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究材料であるノハラボタルが、大雨のためフィールドからほぼ絶滅したと考えられる。急遽、クロマドボタルやサキシママドボタルに材料を変更しているが、数が集まらずそれも難航している。
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Strategy for Future Research Activity |
過去に冷凍保存したものやエタノール漬けのサンプルを使って、ノハラボタルからのオプシン遺伝子の単離を試みる。サキシママドボタルの幼虫とオオマドボタルの幼虫を現在飼育しているので、これが成虫になり次第、発光リズムの測定を行いたい。
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