2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25650145
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
半谷 吾郎 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (40444492)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 真菌 / 霊長類 / 胞子散布 / 次世代シーケンス / ニホンザル / 屋久島 / 子実体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、森林生態系の中で、哺乳類が真菌の多様性の維持に貢献していることを示すことである。ニホンザルが多様なキノコを頻繁に食べることが知られている屋久島で、サルの糞の存在によって土壌中の真菌相が変化することを実験的に証明することを目指して研究を行った。 屋久島の西部林道で2013年6月、7月、9月にそれぞれ10個の排泄直後のニホンザルの糞を採取し、調査ステーションに持ち帰った。そのうち一部をDNA抽出用に保存した後、以下の4つの処理を行った。(1)プラスチック製の籠で覆う、(2)(1)の籠と同じ大きさのアクリル製の透明の箱で覆う、(3)オートクレーブ滅菌後、(2)同様に土壌安置。(4)蒸留水と糞の懸濁液を攪拌した上澄みをアクリル箱で覆う、さらにコントロールとして(5)何も置かず、籠だけを設置する条件を設定する。屋久島の森林内でこれらの処理を行い、処理直前、1ヵ月後、3ヵ月後、1年後に箱・籠付近の土を採取してエタノール保存した。 採取した糞を顕微鏡観察したところ、ほとんどの糞で胞子が観察され、死細胞を染色するトリパンブルーで染色されないことから、サルが生きた胞子を運ぶことが確認された。 糞および採取した土からDNAを抽出し、ITS領域を増幅して電気泳動して真菌のDNAがこれらのサンプルに含まれていることを確認した後、シーケンスのために真菌のバーコード領域であるITS1F_KYO1およびITS2_KYO2-nexRプライマでPCR増幅を行った。現在、京都大学霊長類研究所の次世代シーケンサMiseqでシーケンスを行っている最中である。哺乳類の糞を土壌に接種することで、土壌中の真菌の趣向性にどのような変化が起こるかを、今後分析していく。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Coming down from the trees: Is terrestrial activity in Bornean orangutans natural or disturbance driven?2014
Author(s)
Ancrenaz M, Sollmann R, Meijaard E, Hearn AJ, Ross J, Samejima H, Loken B, Cheyne SM, Stark DJ, Gardner PC, Goossens B, Mohamed A, Bohm T, Matsuda I, Nakabayashi M, Lee SK, Bernard H, Brodie J, Wich S, Fredriksson G, Hanya G, Harrison ME, Kanamori T, Kretzschmar P, Macdonald DW, Riger P, Spehar S, Ambu LN & Wilting A
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 4
Pages: 4024
DOI
Peer Reviewed
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