2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25650148
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
鈴木 孝仁 奈良女子大学, 古代学学術研究センター, 特任教授 (60144135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 正人 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (50356862) [Withdrawn]
竹内 孝江 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (80201606)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 微生物由来揮発性有機化合物 / MVOC / 自己抑制作用 / 気相を介する生理作用 / Aspergillus / Fusarium / ヘキサナール / ヘプタナール |
Outline of Annual Research Achievements |
カビAspergillus fumigatusとFusarium solaniが放出する揮発性有機化合物(MVOC)について、バイヤル瓶での培養から得られるガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)のクロマトグラムから、市販の当該化合物の希釈系列を対照にして絶対濃度の決定を行った。阻害物質であるヘプタナール及びヘキサナールの気相における濃度はバイヤル瓶中では、約0.03 ppmと約0.001ppmであり、15 cm径の密封されたチャンバー内でカビ培養が後から胞子を植えられたカビ培養の成長を、気相を介して抑制するのに必要な市販のVOCの添加量は、0.8 mg以上であった。添加によるチャンバー内の予想濃度は、バイヤル瓶中での濃度の100倍ほどになった。チャンバー内で自己抑制を起こすのに必要な周囲のカビ培養の量と培養日数を考慮したそれぞれの揮発量の総量を算出してみたところ、必要添加量に近づいた。そこでMVOCによる成長阻害では、気相の濃度そのものが閾値となるのではなく、累積された放出量に依存するとの仮説が提示できた。 MVOCsがもたらす生理作用に伴ってde novoに合成されるタンパク質を調べる当初の実施計画は、カビ菌体の効率的な破壊が困難であったため、細胞外分泌タンパク質の同定に研究目標を変更した。A. parasiticusを材料に用いて合成培地での培養ろ過分画をSDS-PAGEによってタンパク質バンドを得た。トリプシンによりバンドのゲル内消化と抽出を行った後、それぞれをMALDI-TOF-MSを用いたペプチド全体の質量分析、および個々のペプチドのMS/MS分析を行い、alpha-アミラーゼやアルカリホスファターゼなどの5種の相同タンパク質が同定できた。
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