2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒトを含む類人猿の性的二型とその多様性を制御する分子機構の解明に向けて
Project/Area Number |
25650154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
太田 博樹 北里大学, 医学部, 准教授 (40401228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 剛史 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (20212194)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フィールド試料 / 性皮腫張 / 性周期 / 性ホルモン / ニホンザル / ヒト / 遺伝子発現 / PER2遺伝子 |
Research Abstract |
【目的】本研究課題は霊長類のフィールド試料(糞便あるいは唾液)からのRNA精製法を開発し、性皮腫張と性ホルモン、それらと関わる可能性のある遺伝子発現の関係について手がかりを得ることを目的とする。フィールド試料をもちいる前段階として飼育下の個体から採取した末梢血から抽出・精製したmRNAで、血液中の性ホルモンの変動と同調する遺伝子発現変動をトレースしうるか技術開発を行う。 【方法】京都大学霊長類研究所において、ホルモン分析を行うために採血されたマカクについて、そのホルモン分析で用いられた残り(血球成分)を分与してもらい、血漿中の性ホルモンの情報と白血球中の遺伝子発現の情報を照合し、血中の性ホルモンの変動と同調的に発現変動が起こっている遺伝子をサーチする。 【進捗】(1)京都大学霊長類研究所・人類進化モデル研究センター長・岡本宗裕教授にご協力いただき、岡本教授らがニホンザル(メス)の性周期とホルモンの関係を調査する目的で採血した血液の分与の手続きを進めた。この採血は1週間に4頭のニホンザルから3回行われた。約1ml採血し、血漿はホルモン動態の分析に用いられた。残った血球成分(約0.5ml)をRNAlaterに入れ、本研究課題・連携研究者・京都大学霊長類研究所・今井啓雄准教授がこれらを保管した。こうした採血を複数回おこないチューブの数は100本を超えた。(2)北里大学医学部の研究代表者の研究室では、本研究課題の研究協力者・勝村啓史(博士研究員)が、①3時間毎に採取したヒトの唾液からRNAを抽出し、②定量PCRを行い時計遺伝子の1つであるPER2遺伝子の発現変動がトレースできるか実験をおこないこれに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の目的は、フィールド試料(糞便あるいは唾液)からのRNA精製法を開発することであるが、その前段階の飼育下の個体からの血液試料での分析が予想よりも時間がかかり、計画全体としてはやや遅れている。一方、3時間毎にヒトから採取した唾液からRNAを抽出し、定量PCRにより時計遺伝子の1つであるPER2遺伝子の発現変動をトレースすることに成功している。こうした状況から前進はあるものの「やや遅れている」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトからの唾液採取は、同時に血液採取も行っている。そこで、唾液で観察されたPER2遺伝子の発現変動が、同じフェーズで血液でも観察されるか、定量PCRで確認する。さらに、ニホンザル(メス)の性周期と同調する遺伝子を見つけることを大目的とし、まずはPER遺伝子ファミリーの発現変動パターンの解析をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
先の述べたように、研究計画がやや遅れている。このため、H25年度に計上した予算のうち、一部が次年度使用となった。 まずPER遺伝子ファミリーの発現変動を定量PCRでトレースする。この実験の費用に昨年度からの繰り越し費が活用される。さらに、理想的にはRNA sequencing をおこない、全ゲノム中で性周期とともに発現が変動している遺伝子を予測する。このシークエンシングの一部の費用として使用される。
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[Journal Article] Generation of Monoclonal antibodies against the Galβ 1-4Gal epitope:a key tool in studies of species-specific glycans expressed in fish, amphibians, and birds2013
Author(s)
N. Suzuki, D. Nawa, H. Tateno, T. Yasuda, S. Oda, H. Mitani, T. Nishimaki, T. Katsumura, H. Oota, T. Hanihara, A. Oga, J. Hirabayashi and K. Yamamoto
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Journal Title
Glycobiology
Volume: 23(1)
Pages: 91-105
DOI
Peer Reviewed
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