2013 Fiscal Year Research-status Report
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25650159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
山崎 和彦 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (00145161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 亜紀子 群馬大学, 教育学部, 准教授 (00286692)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 風 / 気流 / 衣服内気流 / 熱線式風速計 / 超音波風速計 |
Research Abstract |
先ず、衣服内気流を観測するためのモデルを計3体、および風速センサの精度を評価するための小型風洞を制作した。これらは外気が衣服内へ流入する様子の観測、模した皮膚面を加温した際に対流がもたらす上昇気流速度の観測、そして、熱線式風速センサを水平および垂直に配置した際の測定精度評価のための装置である。なお風速センサの精度については、閉鎖空間内において、センサを上下あるいは左右に一定速度で移動させ、相対風速を与える方法によっても検討した。いずれも当初の目的を達成することができた。 流れの可視可および測定方法については、サーモグラフィー、温度多点計測、差圧法、風圧法、タフト法、スモーク法、小型熱線式風速センサ(両方向および単方向)、超音波風速計などについて比較検討した。いずれも測定や評価は可能であるが、精度や適用条件に違いがある。寒冷環境下においてはサーモグラフィーは有効と判断されたが、常温下では、小型熱線式風速センサが最も使い勝手が良好であった。また身体外周付近あるいはスカート内部空間については超音波風速計が適しており、これらを主体にして各種の計測を行った。 実物大の女性型マネキンに塩化ビニル製のワンピースを着用させたモデルを用いて、衣服内各所における気流方向および流速を観察した。外気流が4.4m/sであるとき、衣服内各所において、1.5m/sを超える流速が観察された。皮膚温を変化させ得る人体モデルでは、皮膚面温の上昇に伴い流速も高くなり、皮膚温41℃、壁面高を下部30mm、上部10mmとする場合、最大値(0.23m/s)が得られた。そこで、成人の男性および女性を被験者とし、雨衣その他を着用した場合の流速について観察した。センサを衣服内に設置した場合は0.05m/s以下であるが、ウエスト部や襟元に設置すると、最大0.4m/sの流速が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
作成した全てのモデルおよび実験装置類は、想定した通りの特性を有し、計画した内容に沿う研究成果が得られた。したがって、それらの成果を活かし、平成26年度に予定している各種の実験を順調に実施することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度における人体モデルは、裸体状態において塩化ビニル製のワンピースを着用しただけでり、また、外気の流速条件は固定したものであった。そこで、今後は、衣類の実際の着用様式を模し、さらに外気の流速条件を変化させて、衣服内気流に及ぼす影響について観察する。 また皮膚温がもたらす対流現象について観測できることが判明した為、今後は環境条件と衣服条件を組み合わせ、えんとつ効果およびあんどん効果について観察を行う。さらに、生体にとって、風は温熱効果として作用することから、衣服内の各所で多点温度測定を並行して実施し、外部から流入する風の影響について総合的に把握する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
サーモグラフィーが予想より低価格で入手できた為。 熱線式風速センサの購入代に充てる。
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Research Products
(2 results)