2013 Fiscal Year Research-status Report
収穫後の花卉にみられる花の不完全開花現象における体内時計の関与
Project/Area Number |
25660020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河鰭 実之 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (10234113)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | トルコギキョウ / 開花 / サーカディアンリズム / 開閉運動 |
Research Abstract |
多くの花は日中開花し夜間閉じる開閉運動を示す.トルコギキョウの花も,朝に開いて,夜に閉じる日周運動を示すが,その機構は明らかにされていない.本研究では,様々な明暗期リズムの処理を行うことにより,トルコギキョウの花の開閉運動の制御機構について調査した. トルコギキョウ‘あずまの紫’を温室で栽培し,開花数日前より昼温/夜温25/20℃の人工気象室へ移した.開花第1日目に続く暗期の開始8時間後から,様々な光条件の処理を行った.花の側面からデジタルカメラのインターバル撮影機能を使用して,3日間以上連続して撮影した.花弁の先端の相対的位置を計算し,その位置の上下変動により開閉運動をグラフ化した. (1)24時間周期とし,明期/暗期長を24/0hr,20/4hr,16/8hr,12/12hr,8/16hr,4/20hr,0/24hrとした.明暗周期が24時間の場合,明期長が4時間から20時間の範囲では,明期の開始直後の15分で急速に開花を始め,約2時間後に花は最も開いた.その後,明期の間は花は閉じ続け,暗期に入ると急速に閉じた後それ以上は閉じなかった.暗期が長い場合には,暗期開始から10-12時間後に開花が始まった.連続暗条件におくと,26-27時間の概日リズムによる開閉を続けた.一方,連続明条件におくと,第1日目に開閉をしたのち24時間後頃から緩やかに開いたが,その後は開閉運動を示さなくなった. (2)暗期長を固定して明期長を変えた,12/8hr,8/8hr,4/8hrの処理を行った.6,20,24時間周期では,いずれの処理でも明期のはじめに開花を始めたが,12時間周期の場合は,2周期(24時間)ごとに開閉した 以上の結果は,暗期開始から10-12時間後に開花が始まる概日リズムがあるとともに,光による直接的な開花誘導が存在すると考えらた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トルコギキョウの花の開閉運動を定量化することができるようになり,様々な光周期における反応が明らかとなった.これらの結果に基づき,遺伝子解析の段階へ進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
トルコギキョウの花の開閉運動において,異なる種類の光に対して,異なる応答を示すことが明らかにたったので,それらを制御している分子メカニズムを明らかにする.トルコギキョウと同様に開閉運動をするトマトでは,様々な光受容体の突然変異体が得られている.これら突然変異体における光応答を現在調査中であり,その結果を基に,開閉運動の制御機構を明らかにし、さらに,トルコギキョウにおける開閉運動の制御メカニズムを解明することを目指す.
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Research Products
(1 results)