花弁柔細胞で早期老化を引き起こすヌクレアーゼ機構の解明

2013 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25660032
• Research Category: Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
• Research Institution: National Agriculture and Food Research Organization
• Principal Investigator: 望月 寛子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所花き研究領域, 主任研究員 (60450318)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: ヌクレアーゼ / 柔細胞

Research Abstract

平成２５年度はチューリップ花弁柔細胞と表皮細胞におけるヌクレアーゼ活性を検証するための条件検討を行った。ヌクレアーゼ活性はSDS-PAGE法によるIn-gel DNase assayを用いた（実験１）。材料はチューリップ切り花‘イルデフランス’を用いた。ゲルのSDS濃度は15 ％とし、25～60kDaと予想される比較的小さな分子量のヌクレアーゼの検出を行った。さらに、花弁柔細胞において早期に働くヌクレアーゼ関連遺伝子の同定を目指し、チューリップ花弁では世界で初めてとなるEST（expressed sequence tag）の整備を行った（実験２）。材料はチューリップ切り花‘イルデフランス’を用いた。チューリップを開花前から老化後の複数のステージに分け、各ステージの花弁からRNAを抽出した。若い葉と老化葉、雌ずい、雄ずい、茎、球根からも同様にRNAを抽出した。抽出RNAよりcDNAを合成し、断片化した後に次世代シーケンサーを用いて40万リード以上の配列を取得した。cDNA配列決定にあたっては１リードで平均350塩基、また１ランで100万リード以上の配列を取得できるロシュ社FLX Titaniumを使用した。平成２６年度には上記のEST情報を利用してマイクロアレイ解析を行い、花弁柔細胞で働くヌクレアーゼ遺伝子の同定を目指すとともに、得られた遺伝子配列からタンパク質を合成し、SDS-PAGEによる分子量の特定を行う予定である。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ヌクレアーゼ活性を検証するSDS-PAGEの条件検討は予定通り進行している。遺伝子の解析については、当初、サブトラクション法を用いる計画であったが、低予算かつ、得られる情報量が豊富なマイクロアレイ解析に手法を変更した。実験手法に変更はあったが、研究はほぼ計画通りに進行している。

Strategy for Future Research Activity

ヌクレアーゼ活性については、当初の予定通り金属イオン依存性、至摘pH、基質優先性、タンパク質のサイズ、ヌクレアーゼ阻害剤 （EDTA、E-64、Zn2＋など）に対する反応をIn-gel DNase assayを用いて検証する（実験１）。遺伝子解析については、平成２５年度に作成したEST情報をもとにマイクロアレイ解析を行う（実験２）。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

外部委託で実施した遺伝子発現解析の金額に変更が生じたため。
遺伝子発現解析用の消耗品（試薬）を購入予定である。