2014 Fiscal Year Annual Research Report
クォーラムセンシング阻害に対する耐性株の出現可能性および環境適応メカニズムの追究
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25660062
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 憲成 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (00470592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸星 知広 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90361360)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | クォーラムセンシング / 阻害剤 / 耐性 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、細菌のクォーラムセンシング阻害に対する耐性菌株の出現可能性を追究し、環境適応機能を分子レベルで明らかにすることである。現在のところ、クォーラムセンシング阻害剤による病原処理は、細菌に対して選択性を付与したいので耐性菌などが出 現しないと報告されている。 本研究では、本当にクォーラムセンシング阻害に対して、細菌は環境適応する術を持ち合わせていないのかという疑問を追究するための取組みである。本研究期間内で、①クォーラムセンシング阻害剤に対する耐性菌株の取得、②耐性に関わる遺伝子の同定、③耐性機 構の解明を行い、どのようにクォーラムセンシング阻害を回避できるのかなどを追究し、細菌のクォーラムセンシング阻害剤に対する環境適応機能を分子レベルで明らかにすることを最終目的としている。 平成26年度においては、クォーラムセンシング阻害剤に耐性を示したmexR変異株を用いて、耐性メカニズムの解明ならびにクォーラムセンシング阻害剤が代謝変換についての追究、さらに新しい耐性変異株取得に向け、AHLラクトナーゼの過剰発現システムの構築を目的に研究を進めた。 その結果、mexR変異株においては、野生株と比較して、クォーラムセンシング阻害剤C30を細胞外への放出が盲進しており、平成25年度の成果で考察した「阻害剤が細胞外へ排出されることで阻害効果が低減し耐性を持つ」というメカニズムを明らかにした。また、野生株において、クォーラムセンシング阻害剤C30が代謝変換されていることを見出し、C30の分子内にある二つのブロモ基が外れている化合物に変換されていることを明らかにした。また、AHLラクトナーゼ存在下で起こるクォーラムセンシング阻害に対する耐性機構を明らかにするために必要な過剰発現システムを構築した。
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Research Products
(2 results)