2014 Fiscal Year Annual Research Report
γプロテオ族腸内細菌の選択的生育阻害を目指したパントテン酸代謝経路の研究
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25660068
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
仁木 宏典 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (70208122)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パントテン酸 / PanD / 補酵素A |
Outline of Annual Research Achievements |
Coenzyme A (CoA) はさまざまな代謝において補酵素として機能し、またタンパク質のアセチル化の基質としても重要である。CoAはビタミンB5としても知られるパントテン酸から合成される。パントテン酸からCoAまでの合成経路は極めて厳密に制御されている。バクテリアは主要なパントテン酸の供給源である。バクテリアのパントテン酸はアスパラギン酸の脱炭酸化反応により生じるがこれを司るaspartate α-decarboxylase (PanD)はこれまで自己活性化されると考えられてきた。しかし、我々は最近大腸菌などの一部のバクテリアはPanZという因子により活性化されることを見出した。この活性には最終産物であるCoAにも依存している。国際共同研究により、PanD-PanZ複合体の構造からこの相互作用と活性化とCoAに依存していることを明らかにした。特にPanZがCoA依存的に、PanDに阻害的にも機能することも見出した。CoAの合成過程を通じて、最終産物であるCoAが最初のステップを負に制御してCoAの量を調節している。このパントテン酸ーCoA経路はバクテリアに固有の代謝経路でかつてより抗菌の標的代謝経路とみなされてきた。今回の構造学的な知見は、PanD-PanZ複合体の過程でCoAの合成を止める方法を開発すために有用な知見となった。
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[Journal Article] The Structure of the PanD/PanZ Protein Complex Reveals Negative Feedback Regulation of Pantothenate Biosynthesis by Coenzyme A2015
Author(s)
Diana C.F. Monteiro, Vijay Patel, Christopher P. Bartlett, Shingo Nozaki, Thomas D. Grant, James A. Gowdy, Gary S. Thompson,Arnout P. Kalverda, Edward H. Snell, Hironori Niki, Arwen R. Pearson, Michael E. Webb
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Journal Title
Chemistry & Biology
Volume: 22
Pages: 492-503
DOI
Peer Reviewed / Open Access