2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25660071
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Research Institution | Toyota Central R&D Lab., Inc. |
Principal Investigator |
松山 崇 株式会社豊田中央研究所, 先端研究センター バイオ研究室, 主任研究員 (90394882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 孝雄 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20614928)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遺伝子発現制御 / ターミネーター / 出芽酵母 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度(最終年度)の主要な二つの成果として、(1)NAB6とPAP1が同じ経路でDIT1ターミネーター(DIT1t)の活性化を行うこと、(2)DIT1tの特定のcis配列を介して(1)の作用が働くこと、の2つを遺伝学的に明らかにした。 (1)昨年度までにDIT1t 活性を向上させる4種類の遺伝子を逆遺伝学的な手法を用いて同定した。TDH3 プロモーターとGFP の下流にDIT1t を挿入した酵母株に、ゲノム領域の一部をマルチコピー型プラスミドで過剰発現をさせて、各細胞が発する蛍光を指標にスクリーニングを行った結果、NAB6とPAP1の両遺伝子の過剰発現がDIT1t活性を高めることが明らかとなった。続いて、nab6欠損株では、PAP1 過剰発現の効果が失われ、Nab6pとPap1pがDIT1t活性化に関して同じ経路で働くことが示された。 (2)DIT1tの内部デリーション・クローンを作製し、DIT1tを活性化するRNA結合性タンパク質が結合するcis領域の存在を明らかにすることができた。まず、250bpのDIT1t領域のうち、20bpおきに10bp欠損した6種類の変異DIT1t(d1~d6)を設計した。これらの変異DIT1t株においてNAB6及びPAP1の過剰発現株をそれぞれ作製し、DIT1t活性化作用を野生型DIT1tと比較したところ、d2株においてのみ、NAB6及びPAP1によるDIT1t活性化作用が両方とも失われていた。これらの結果より、d2領域近傍にcis配列が存在する可能性が高いと考えられた。 研究期間全体を通じた成果としては、出芽酵母の最高活性DIT1ターミネーターを活性化する分子機構が存在し、これにDIT1tの特定のcis配列、NAB6、PAP1が関与することを明らかにした。
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