2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規糖脂質MPIaseを利用した機能的膜タンパク質の可溶化剤の開発
Project/Area Number |
25660073
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
西山 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (80291334)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | MPIase / 膜タンパク質 / 可溶化剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
MPIaseは糖脂質でありながら膜タンパク質の膜挿入を触媒する、「糖脂質酵素(Glycolipozyme)」と呼ぶべき機能をもっている。膜挿入機構の解析の結果、MPIaseの糖鎖部分は膜タンパク質の膜貫通領域と直接相互作用し、膜挿入中間体を形成することを明らかにした。このことは、MPIaseの糖鎖部分が膜タンパク質一般に適用できる可溶化剤として利用できることが強く示唆されていた。MPIaseを酢酸処理するとMPIaseの糖鎖部分が未修飾のまま回収できることが判明したが、この糖鎖は膜挿入活性、膜タンパク質との相互作用能のどちらも喪失していた。そのため、MPIaseをピロリン酸フォスファターゼで消化し、脂質部分を除去したPP-MPIaseを調製したところ、膜挿入活性、膜タンパク質との相互作用能のどちらも保持されていた。これまでの研究では、放射能標識した微量の膜タンパク質を基質として用いていた。そのため、PP-MPIaseが化学量の基質膜タンパク質に対応できるかどうか不明であった。そこで、従来から使用してきた膜タンパク質(3L-Pf3 coatタンパク質)を過剰生産し、均一にまで精製した。この精製3L-Pf3 coatとPP-MPIaseは可溶性複合体を形成することが明らかとなった。さらに、この3L-Pf3 coatは効率よく膜挿入することも明らかとなった。さらにPP-MPIaseの改良が必要であるものの、PP-MPIaseはmg/ml程度の濃度の膜タンパク質を可溶化できることが明らかとなり、膜タンパク質可溶化剤として有効であることが判明した。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Structural basis of Sec-independent membrane protein insertion by YidC2014
Author(s)
Kumazaki, K., Chiba, S., Takemoto, M., Furukawa, A., Nishiyama, K., Sugano, Y., Mori, T., Dohmae, N., Hirata, K., Nakada-Nakura, Y. Maturana, A.D., Tanaka, Y., Mori, H., Sugita, Y., Arisaka, F., Ito, K., Ishitani, R., Tsukazaki, T. and Nureki, O.
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Journal Title
Nature
Volume: 509
Pages: 516-520
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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