2014 Fiscal Year Research-status Report
PCR合成DNAによる革新的な新規遺伝子発現抑制RNAi技術の開発
Project/Area Number |
25660080
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中村 美紀子 山口大学, 大学研究推進機構, 研究員 (20457310)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | RNA interference / PCR / 遺伝子ノックダウン技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子機能を解明するため、目的の遺伝子発現のみを抑制するRNA interference(RNAi)技術が汎用されているが、RNAi配列によっては遺伝子発現を完全にノックダウンできないことが多々ある。これは、RNAi配列のデザインが経験則に頼っており、未だ理論的な法則が見出されていないため、最適な配列が用いられていないからである。そこで、本研究では、RNAi配列の法則性を明らかにし、その設計方法の確立を目指している。 そのため、平成25年度は、ヒト化コドンのルシフェラーゼ遺伝子を用いて、安定にRNAi効果を測定できる感度の良い検出方法を確立することを目指したが、EGFPのほうが再現よくRNAi効果が測定できることが分かった。そこで、平成26年度は、EGFPの系を用いて様々なRNAi配列を設計し、RNAi効果の検証を試みた。その結果、様々なRNAi配列を設計し、その配列をPCRで作製しようとするとほとんどの配列が作製することができず、まず、PCRでRNAi配列コンストラクトを作製する技術の開発を進めた。どんなRNAi配列でもPCRで作製できるようにするため、DNAポリメラーゼの検討、PCR条件の検討や、RNAi配列コンストラクト(種々のプロモータ、RNAi配列の長さ、ターミネータなど)自体の条件を検討し、どんなRNAi配列でもPCRで作製できるようになった。また、作製したRNAi配列を用いてRNAi効果を検証したところ、RNAi効果のある配列とない配列を区別することができた。効果のあった配列については変異を導入することでRNAi効果が減少するか調べたところ、1塩基置換程度では減少しないことが分かった。今後は、更なる変異を加えたり、他の遺伝子についてRNAi効果を示す配列を見出すことで、RNAi効果を示すRNAi配列の法則性を明らかにしたいと考え、20種類の候補ヒト遺伝子をクローニングした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EGFPにおいて、様々なRNAi配列を検証し、新規のRNAi効果を示す配列を見出すことができたので、概ね順調に進んでいると考えている。 しかし、RNAiに使用されるsiRNAは通常21merであるので、1塩基置換でもRNAi活性において重要な塩基であれば、RNAi効果が減少すると考え、1塩基置換のみでデザインを行ったが、実際には1塩基置換程度では効果は減少しなかったので、まだRNAi効果に重要な塩基・配列・位置を見いだせていない。今後は、この観点に注力して研究を進める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、EGFPに対してRNAi効果があった今回見出したRNAi配列に、更なる変異を加えることで、RNAi配列のどの位置、どの塩基がRNAiに重要かを明らかにする。また、我々は酵母コドン化しているEGFP (yEGFP)を取得しているので、yEGFPとEGFPを用いて、EGFPに対してRNAi効果があった今回見出したRNAi配列がyEGFPにも機能するのか特異性についても調べる。さらに、cofilinやCDC42などEGFP以外の他のヒト遺伝子についてRNAi効果を示す配列を見出し、RNAi効果を示すRNAi配列の法則性を明らかにしたい。
|