2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25660086
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福士 幸治 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60218906)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 遠隔位官能基化試薬 / 9,10-ethanoanthracene / 立体選択的ラジカル反応 / ジアステレマー分離 / NMR解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
対象化合物の誘導体化部位から離れた位置にある炭素鎖にエナンチオ選択的に官能基を導入するための新しい方法論(遠隔位官能基導入法)の確立とその応用を目指した。本研究は、鎖状の対象化合物の特定の遠隔部位に官能基を導入できるテンプレート(遠隔位官能基化試薬)を9,10-ethanoanthracene骨格に求め、これまで未報告のcis-9,10-dihydro-9,10-ethanoanthracene-11,12-diamineの簡便な大量合成法を確立した。同様に9位と10位に水酸基、カルボキシ基、アミノ基、(ヘテロ)芳香族環などを導入した化合物を調製し、長鎖脂肪酸および長鎖アルコールとの誘導体化を試みた。その結果、エピメリ化以外にも誘導体化部分の脱離や9位と10位の置換基間での縮合反応などが起こり、置換基同士の近接が原因と考えられた。これらの問題を回避するためシトラコン酸無水物とアントラセンとの付加物を部分還元しラクトンを調製した。本化合物に含窒素および含ヨウ素芳香族環の導入後、長鎖アルコールとのエステル調製を予定している。なお、予備実験として、ナフタレン環の1位にhexyloxycarbonyl基と8位にnicotinoyloxy基を導入した化合物とPhICl2(2当量)のCH2Cl2溶液に高圧水銀灯を照射し、光ラジカル反応を行った結果、アルコール側鎖部分が塩素化された生成物が複数得られ、選択性は認められなかった。
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