2013 Fiscal Year Research-status Report
活性型エステル担体を用いた無保護アミノ酸による相溶二相系ペプチド合成法の構築
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25660087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
北野 克和 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10302910)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ペプチド合成 / 無保護アミノ酸 |
Research Abstract |
一般的にペプトド化合物を合成するにためには、固相、液相合成法ともに保護基の導入されたアミノ酸の使用が必須であるが、保護基の導入されたアミノ酸の使用は、高価であるとともに、必ず脱保護のプロセスが必要となることから、無保護のアミノ酸を用いたペプチド合成法の開発は極めて重要な技術である。そこで本研究では、N-ヒドロキシイミド部分を有する、低極性溶媒のみに溶解する担体化合物を用いることによって無保護のアミノ酸を用いてペプチド化合物の合成法を確立することを目的としている。 平成25年度は、ペプチド合成に重要となる、低極性溶媒のみに溶解する活性エステル担体の合成を中心として行った。具体的には、構造的な特徴として、低極性溶媒(シクロヘキサン等)に溶解しやすくするために、炭素数18のアルキル鎖を3個有しているとともに、N-ヒドロキシフタルイミド構造を有する化合物の合成検討を行った。その結果、ヒドロキシフタル酸を出発物質として、5工程により目的とする、疎水性部分として、トリス(オクタデシルオキシ)ベンゼンとN-ヒドロキシフタルイミド構造をを有する担体の合成に成功した。 次に、合成した担体について、アミノ酸の導入の検討を行った。その結果、通常の脱水縮合の条件により反応は円滑に進行し、アミノ酸が担持された活性エステル担体の合成に成功した。さらには、アミノ酸が担持された活性エステル担体について、無保護のアミノ酸を作用させたところ、活性エステル担体との反応が確認された。しかしながら、目的物の収率は高収率ではなく、また、反応後の活性エステル担体の回収についても若干非効率的な結果となった。 以上の結果を踏まえて、今後は、活性エステル担体の構造を微調整することも視野に入れながら、導入するアミノ酸の検討、および、ペプチド化合物合成を中心とした検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の主な計画とした活性エステル担体の合成に成功したことから、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、実際のペプチド合成を中心とした検討を行う。なお、ペプチド合成が期待通りに進行しないことが観察された場合には、活性エステル担体の構造を変更する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品代について、従来所有していたもので代用できたこと、また学内の用務により国際学会に出席できず、海外出張を行わなかったため。 当初の計画通り使用するとともに、国内・国際学会に積極的に参加し、旅費について、当初の計画よりも多めに執行することを計画している。
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