2014 Fiscal Year Annual Research Report
ビオチンの新規機能-性ホルモン産生促進作用-の機構解析
Project/Area Number |
25660095
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白川 仁 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40206280)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 知子 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00342783)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ビオチン / サイクリックヌクレオチド |
Outline of Annual Research Achievements |
ビオチンは、カルボキシラーゼの補酵素として働き、糖質、脂質、アミノ酸代謝に関与している。ビオチンがcAMP-プロテインキナーゼA経路を介してテストステロン産生を上昇させることを見出した。従来、ビオチンは、グアニル酸シクラーゼを活性化させ細胞内のcGMP量を増加させ、インスリンシグナルの増強や血圧低下作用を示すことが明らかにされている。我々の新知見と合わせて考えると、サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)の阻害が鍵であると考えられた。本研究は、ビオチンによるテストステロン産生上昇がPDE阻害を介するかどうかについて解析した。マウス精巣ライディッヒ細胞様癌細胞(I-10)をビオチンで処理すると、濃度依存的、処理時間依存的にテストステロン産生量が上昇するが、このテストステロン産生を指標として解析を行った。マウス肝臓に比べI-10細胞で比較的発現量の高いアデニル酸シクラーゼ、ホスホジエステラーゼを昨年度までに同定したが、これらに対するsiRNAを細胞へ導入し、ビオチンによるテストステロン産生に及ぼす影響を解析したところ、アデニル酸シクラーゼの発現量低下によって、テストステロン産生上昇が抑制された。一方、ホスホジエステラーゼの低下によっては、ビオチンの効果は変化しなかった。これらのことから、ビオチンによるテストステロン産生上昇は、アデニル酸シクラーゼの活性化によることが明らかになった。
|
Research Products
(6 results)