2013 Fiscal Year Research-status Report
プラスチック材料の高分子鎖構造から発想した製パン性に優れた澱粉構造の決定
Project/Area Number |
25660098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西岡 昭博 山形大学, 理工学研究科, 教授 (50343075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香田 智則 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (60261715)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 食品工学 / 高分子鎖構造 / レオロジー |
Research Abstract |
今年度は、研究計画書に記載の通り、「澱粉の高分子鎖構造と米澱粉生地のレオロジー特性との相関」に関して集中的に明らかにしてきた。澱粉生地のレオロジー特性を明らかにするためには、澱粉に対する良溶媒を探索することが必要である。ある種のイオン液体が澱粉への高い相溶性を示すことを明らかにした。様々な条件下で澱粉/イオン液体の混合方法を模索し、得られた資料に対してレオロジー特性を測定した。具体的にはレオロジー測定を精度良く測定するためには、イオン液体中に均一に澱粉を溶解させる手法が必要となる。当初、均一に溶解した試料を作成することに苦慮し、その原因をトライ・アンドエラーにて検討した。その結果、澱粉中のタンパクを除去(除タンパク)することで、イオン液体中に澱粉を均一に溶解させることができることが明らかになった。それ以後は、本作成手法で得た試料を用いてレオロジー測定を実施した。異なる分岐度(アミロペクチン含量の異なる米澱粉)を有する餅種の米澱粉を研究協力者より提供を受け、澱粉内のアミロペクチンの分岐と生地のレオロジー特性の相関を検討し、本研究の基礎的知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するためには、澱粉に対する良溶媒を探索すること、澱粉/溶媒溶液の作成手法の確立が研究当初の最も重要な点であった。この点において集中的に実験検討を行い試料の作成手法、測定手法をほぼ確立出来た。これが早い段階で達成できたことは今後の研究の遂行上、非常に大きな意義なあることから「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
澱粉生地のレオロジー測定手法をほぼ確立できたことから、今後も高分子鎖構造の異なる澱粉のレオロジー特性を明らかにしていく。これにより高分子鎖構造と加工性の相関が研究期間終了時には明らかになると考えている。また、研究を遂行する上で、研究協力者として澱粉の生合成を専門とする研究者2名ともさらに密なコラボレーションが必要となる。平成26年度においては、さらに密接な関係を構築することで研究目的の達成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度の上半期は、レオロジー測定に適した試料の作成手法の確立、測定方法の最適化など本研究を遂行する上での重要な検討を集中的に検討してきた。そのため、研究を進める上での研究協力者との研究打ち合わせなどの情報収集を多く行ったため旅費を多めに計上した。特に今年度は澱粉への良溶媒の探索、再現の良い測定を行うため測定試料の作成手法の確立に多くの時間を割いたため当初予定していたよりも費用が発生しなかった。 平成25年度の検討で試料の調整手法はほぼ確立したため、平成26年度はより多くの設備費や消耗品、学会発表等の旅費の計上を行う予定である。特に、研究打ち合わせに関する旅費とともに、研究成果の発表に関する旅費も多く計上する予定である。また測定に用いるイオン液体は非常に高価であり、当初の計画よりも消耗品費を多く計上する必要がある。
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Research Products
(2 results)