2014 Fiscal Year Annual Research Report
杯細胞から探る新しい腸管粘膜免疫機構と食物繊維によるその制御
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25660101
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
森田 達也 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90332692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 真吾 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (70547025)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 食物繊維 / 杯細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
外来抗原の刺激を常に受ける腸管粘膜は過剰な免疫応答を制御する機構を持つが,その誘導機構の詳細は不明である。最近,制御性T細胞やIgA産生の誘導に関わるCD103+樹状細胞への外来抗原の輸送・提示に杯細胞が積極的に関わることが示唆された(McDole et al. Nature, 2012)。一方,申請者らは食物繊維(DF)の摂取が小腸杯細胞数の増加を誘導することを見いだしている。本研究では,食物繊維の摂取による小腸杯細胞数の増加が免疫寛容誘導へ関与する可能性について検討を行うことを目的としている。本年度は,杯細胞の増加が観察される食物繊維摂取条件下における小腸サイトカイン発現プロファイルの解析を行った。 (1)) DF摂取の小腸サイトカイン発現量への影響 Wistar系雄ラット(4週齢)に8%の小麦ふすま(WB)を含む飼料を摂取するWB群,4%のグアガム(GG)を含む飼料を摂取するGG群と食物繊維を含まない飼料を摂取させる対照群を設け,2週および8週後に解剖を行った。小腸各部位(空腸中央部,回腸中央部,会長末端部)における杯細胞数の測定サイトカイン発現量の測定を行った。WB群およびGG群の小腸杯細胞数は測定したすべての部位で対照群と比べ有意に増加した。サイトカイン発現量では,WB摂取群では対照群と比べ,2週ではIL-17発現量が上昇し,8週ではIFN-gおよびIL-17が上昇した。GG群では対照群と比べ,2週ではIFN-g,TNF-aおよびIL-17発現量が上昇し,8週ではIFN-g,TNF-a,TGF-b1およびIL-17発現量が上昇した。これらのサイトカイン発現量の変化は小腸各部位でいずれも同様であった。
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