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2013 Fiscal Year Research-status Report

リグニン中のβ-エーテルの結合距離

Research Project

Project/Area Number 25660130
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

松本 雄二  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (30183619)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywordsリグニン / β-エーテル結合 / 立体構造 / 反応性 / 結合距離
Research Abstract

木質バイオマスの化学的利用においては、いかにしてリグニンを分解するかがキーポイントとなる。リグニンを構成するフェニルプロパン単位をつなぐ結合様式として最も重要なものがアリールグリセロール-β-アリールエーテル(以下β-エーテル)結合である。この結合はリグニン中で最も主要な結合様式であるだけでなく、反応条件を工夫することにより、塩基性下、酸性下あるいは他の条件下において開裂が可能である。化学パルプ化を含めてリグニンの様々な反応過程において、リグニンの反応性は、β-エーテル結合の反応性によって決定されると言っても過言ではない。同結合の反応性には、現在も説明できない重大な点が残されている。それは、同結合の二つの立体異性体エリトロ体、トレオ体の反応性を比べると、アルカリ性下での反応性、あるいは、メカノケミストリー場での反応性では、エリトロ体の反応性がトレオ体に比べて数倍大きく、また、シリンギル型芳香核との間のβ-エーテル結合は、グアイアシル型芳香核との間のそれに比べて反応性が数倍大きいと言うことである。この理由を明らかにするために本研究を行っている。
本研究では、立体異性体がエリトロ型である場合とトレオ型である場合では、あるいは、β-エーテル結合がシリンギル芳香核と結びついている場合とグアイアシル芳香核で結びついている場合では、同結合の結合距離が違うのではないか、そして、この違いが反応性の違いとなっているのではないか、との仮説のもとに、立体構造、芳香核構造の異なる同結合モデル化合物を合成し、結晶構造解析によって同結合の結合距離を求める。
初年度は、合計12種類のモデル化合物を合成することに成功した。しかし、現在のところ結晶として得ることに成功したものはごく少数であり、結晶化の努力を継続している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

モデル化合物の合成は、合成した化合物の種類と言う点では、予定以上に進展した。
しかし、結晶として得られた化合物は現時点では限られており、今後、新たなモデル化合物の合成とともに、結晶化に継続して取り組む必要がある。

Strategy for Future Research Activity

そのままでは結晶化できない化合物については、アセチル化、トシル化、メチル化などの誘導体化を行い、結晶化を試みる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

モデル化合物の合成が順調に進んだため、合成の出発試薬の購入費を当初予想より格段に抑えることができた。それに伴い、当初予定していた化合物精製用のカラムの出費がほとんどなかった。
モデル化合物の種類を当初予定よりも広げるとともに、結晶化のために各種の誘導体化と精製を試みる。それらのために、予定していながら初年度には購入の必要がなかった精製用カラムを後ろ倒しで購入することになる。

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Published: 2015-05-28  

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